研究課題/領域番号 |
22592044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
柴田 俊一 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80187400)
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研究分担者 |
小原 伸子 北海道医療大学, 歯学部, 講師
鈴大 裕子 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (90137422)
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キーワード | プロテオグリカン / ヒアルロン酸 / 歯胚 / エナメル器 / バーシカン |
研究概要 |
本年度は器官培養の系を用いて、帽状期歯胚が合成するプロテオグリカンの構造解析を行った。胎生16日のマウス歯胚を摘出後、メッシュとフィルター上で器官培養を行い、培養半日後に^<35>Sおよび^3H-glucosamineで標識を行い、培地と組織塊からプロテオグリカンとヒアルロン酸を抽出しイオン交換狩カラム、ゲル濾過クロマトグラフィーに酵素消化を併用して解析を行った。また、一部の標本はコラゲナーゼで上皮成分(エナメル器)と、間葉成分(歯乳頭、歯小嚢)を分離して同様の処置を行った。その結果、上皮成分、間葉成分とも相当量のバーシカンタイプの大型プロテオグリカンを合成、分泌しているほか、上皮成分はヘパラン硫酸プロテオグリカン、間葉成分はデコリン、バイグリカンタイプの小型プロテオグリカンをやはり相当量分分泌している事が明らかとなった。また同時期の歯胚からtotal RNAを抽出しRT-PCRでバーシカンmRNAの発現を確認したところ、上皮成分、間葉成分両者に発現が見られ、上皮成分の発現量は間葉組織のおよそ2/3ほどの発現がある事が判明した。さらにin vivoの歯胚を通報に従ってパラフィンに包埋し、in situ hybridizationでバーシカンmRNAの局在を調べたところ、帽状期初期には上皮に強い発現が見られ、鐘状期に移るにつれ間葉組織に強い発現が認められるようになっていた。このような空間的、時間的に特徴的な遺伝子の発現は、バーシカンが歯胚の形態形成に重要な役割を演じている事を示唆するものである。この結果は論文にし発表した。今後はヒアルロン酸合成を調べるとともに、バーシカン遺伝子の阻害実験を行い、プロテオグリカンやヒアルロン酸が歯胚形成に及ぼす役割をさらに追求する計画である。
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