研究概要 |
【Sez12ノックアウトマウス(Sez12-KOマウス)を用いたSez12発現解析】 Sez12-KOマウスではSez12遺伝子破壊と内在性Sez12プロモーターによる緑色蛍光タンパク質(GFP)発現を同時に行なわせている。そこで発生段階でのGFP発現を指標にして検討した。GFP陽性細胞は神経堤、頭部間葉系、第1鰓弓に数多く存在しており、Sez12が神経堤細胞で発現して顎顔面領域の形態形成に重要な役割を果たすと考えられた。22q11.2欠失症候群でも顎顔面異常が頻発している。そこでマウス顎顔面領域をCT解析から三次元的に再構築して骨格形態を検討したところ、Sez12-KOマウスは上顎の短縮が認められ、付随して鼻中隔湾曲症が認められた。 【Tbx1欠失マウスとSez12-KOマウスとの交配による表現型の解析】 Lindsay博士のグループにより分与されたTbx1ノックアウトマウス(Lindsay et al, nature 410, 97-101)を用いて検討した。Tbx1遺伝子は第2-第4鰓弓の形態形成に関わることから、活性を発揮する場の違うTbx1とSez12の両者の欠失が病態形成にどのような影響が生じるかを三次元的CT解析により検討した。主にSez12-KOは上顎形態異常、Tbx1欠失マウスは下顎形態異常を示した。マウス交配実験によりダブルノックアウトマウスを作成してその検討を行っている。
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