研究概要 |
ホモ型Sez12ノックアウトマウス(Sez12-KOマウス)で認められる顔貌異常などの骨格系表現型について検討するため、内在性Sez12プロモーターで制御されたノックインGFPの発現分布を指標にして顔貌異常とSez12発現分布との関連性を解析した。ノックインGFP発現は、マウス発生段階では神経堤・第一鰓弓・頭部間葉組織などの頭部神経冠遊走領域に、また生後では長骨の軟骨内骨化過程で最も強いGFPシグナルを認めた。Sez12-KOマウス由来の胎仔線維芽細胞にSez12を過剰発現させると、低血清培地で生存率が高く維持されていた。以上のことから、Sez12は軟骨内骨化過程の軟骨細胞に発現し、細胞の維持・生存に重要な役割を果たすことが示唆された。(1)ラットのストレスモデル(immobilization stress)において中枢神経におけるNGF, BDNF NT-3の発現が抑制されるという報告(Ueyama T, et al. Neurosci Res. 1997; 28, :103-110.)より、ストレスにともなう唾液腺内のBDNF mRNA発現の変化を検討した。(2)当科で手術を行う患者を対象に、周術期の精神状態と疼痛スコアを採取し検討を行った。予後のよい良性疾患では術後に精神状態の改善を示すが、悪性腫瘍患者のなかには、術後に抑うつ状態を示す患者も散見され、疼痛の遷延や機能障害の大きさに比例する傾向も認められた。
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