研究課題
アネキシンa5遺伝子にLacZをノックインしたマウス(Anxa5-LacZ)を用いたこれまでの解析から、Anxa5は歯根膜ペリサイトのみならず、歯根表面や骨表面などで強く発現することが確認された。そこで、Anxa5-LacZ+/-の交配で得られたAnxa5+/+、Anxa5+/-、Anxa5-/-の3遺伝子型マウスの骨形態計測を行った。骨長や骨幹部の形態に有意な差は認められないが、Anxa5-/-では腱や靭帯が付着する部位で特異的な骨形態の違いが観察された。この違いは若齢マウスでは認められず、運動に伴い生じる変化であることが推測された。Anxa5の骨リモデリングへの関与をさらに詳細に解析するため、in vitroで腱細胞と骨芽細胞の関係を調べた。まず腱細胞の初代培養法を検討した。尾腱組織を採取し、コラーゲンゲル培養により出現する細胞を調べたところ、ScleraxisやTenomodulinなど腱細胞マーカーを多く発現しており、腱細胞の特徴を有することが確認された。野生型マウスから得られたこの初代腱細胞の培養上清を骨芽細胞系のMC3T3-E1細胞に添加すると、MC3T3-E1のアルカリホスファターゼ活性が低下すると共に、DAPIで濃染される顆粒が出現した。免疫染色とWestern blot解析によりcleaved caspase-3の発現が認められたことから、腱細胞に由来する可溶性因子によって骨芽細胞のアポトーシスが誘導されることが示唆された。今後、Anxa5+/+、Anxa5+/-、Anxa5-/-の3遺伝子型のマウスから腱細胞を培養し、骨芽細胞への添加を行い、Anxa5-/-マウスにおける腱付着部の骨形態の変化におけるAnxa5の関与を明らかにする予定である。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nature
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10.1038/nature11807
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