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2010 年度 実績報告書

延髄における嘔吐誘発ニューロンの同定とその機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22592057
研究機関北海道大学

研究代表者

舩橋 誠  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80221555)

研究分担者 平井 喜幸  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (40344519)
前澤 仁志  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (80567727)
キーワード嘔吐 / 化学受容性嘔吐誘発域 / 最後野 / ラット / 脳スライス
研究概要

本研究は化学感受性嘔吐誘発域である延髄最後野の機能を解明するために,行動科学的手法と単一ニューロン活動を解析する電気生理学的手法とを用いて研究を行った.これまでの我々の研究から,最後野ニューロンはHチャネルを発現型(60%)とHチャネルを非発現型(40%)とに分類されることを明らかにしており,このいずれのタイプのニューロン群が嘔吐誘発に関わっているのかを検証することを目指した.塩化リチウムの腹腔内投与を無条件刺激として悪心を惹起することにより,条件刺激(味覚)に対して味覚嫌悪学習が成立するが,この際にHチャネル(過分極作動性カチオンチャネル)の阻害薬(ZD7288)を投与することにより,味覚拒否行動が減弱することから,最後野のHチャネル発現ニューロンの悪心誘発への関与が示唆された.次に,悪心誘発に関与する最後野ニューロン活動は摂食を抑制するニューロンネットワークを形成しているとの考えに基づいて,摂食抑制ホルモンであるアミリンに応答する最後野ニューロンの膜特性を調べた.スライスパッチクランプ法を用いて,最後野単一ニューロン活動の記録を行い,アミリン(1~100nM)に対する応答性を解析した.これにより,以下の結果が得られた.1)アミリン投与に応答する最後野ニューロン(n=72)はすべて興奮性反応を示し,抑制性反応は検出されなかった。2)Hチャネル発現型ニューロンおよびHチャネル非発現型ニューロンのいずれもアミリンに対して感受性を持つ.3)最後野ニューロンの前シナプス部および後シナプス部の両方にアミリン受容体が存在する.これらの結果を総合すると,少なくともHチャネル発現型の最後野ニューロンが悪心誘発へ関与することが強く示唆された

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Modulation of Synaptic Transmission by Nicotine, Serotonin and Amylin in the Area Postrema2010

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Fukuda, Yoshimasa Kitagawa, Makoto Funahashi
    • 学会等名
      第40回北米神経科学学会
    • 発表場所
      米国サンディエゴコンベンションセンター
    • 年月日
      2010-11-15
  • [学会発表] ラット延髄最後野におけるアミリン応答性ニューロンに関する電気生理学的解析2010

    • 著者名/発表者名
      福田武志,平井喜幸,前澤仁志,新保圭亮,石尾知亮,北川善政,舩橋誠
    • 学会等名
      第52回歯科基礎医学会
    • 発表場所
      東京タワーホール船堀
    • 年月日
      2010-09-21
  • [学会発表] ZD7288の味覚嫌悪学習への影響2010

    • 著者名/発表者名
      新保圭亮,平井喜幸,前澤仁志,石尾知亮,福田武志,戸塚靖則,舩橋誠
    • 学会等名
      第52回歯科基礎医学会
    • 発表場所
      東京タワーホール船堀
    • 年月日
      2010-09-21
  • [学会発表] 歯科用有機溶剤の中枢神経系への影響2010

    • 著者名/発表者名
      吉澤知彦,平井喜幸,舩橋誠
    • 学会等名
      第52回歯科基礎医学会
    • 発表場所
      東京タワーホール船堀
    • 年月日
      2010-09-21

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公開日: 2012-07-19  

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