研究課題
基盤研究(C)
Bcl11b/BCL11Bはハプロ不全ながん抑制因子として働くC_2H_2型亜鉛フィンガードメインをもつ転写因子である。ヒトT細胞リンパ芽球性急性白血病(T-ALL)やそのマウスモデルである胸腺リンパ腫で、BCL11B/Bcl11bに点変異や欠失が同定されている。p^53経路は細胞増殖の制御やゲノムの安定性に寄与していることが知られていることから、BCL11Bがp^53の分解に関与するHDM2を含むp^53シグナル経路に働くのではないかと考え解析を行った。その結果、BCL11BはHDM2-P2プロモーター領域に結合し、HDM2遺伝子発現をp^53依存的に抑制することが明らかとなった。このことは、BCL11Bがp53-HDM2フィードバックループの制御に関与することを示唆し、BCL11B/Bcl11bの変異がT-ALLの発症やヘテロ型変異マウス(S826G/KO)での歯の形成異常や腸管クリプト組織肥厚の発症メカニズムの一因であることが示唆された。
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