研究分担者 |
十川 千春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10253022)
宮崎 育子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40335633)
大山 和美 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00253021)
北山 滋雄 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80177873)
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研究概要 |
ヒスタミンH3受容体(H3R)は,自己/他己受容体機能を有することから,ヒスタミン神経系ばかりでなく,モノアミン神経系の神経活動も制御していると考えられている。われわれは,H3Rにモノアミントランスポーター(MAT)輸送活性制御という新たな機能を見出し報告してきたが,この際,H3Rの活性化がトランスポーター輸送活性機能を抑制するのみならず,H3R発現自体がトランスポーター蛋白質の細胞膜への発現を抑制することを認めている。しかし,この細胞膜発現調節に関わる機構については未だ不明のままである。したがって,本課題では,モノアミントランスポーター(MAT)蛋白質の細胞内輸送に対するH3R発現の影響およびその機序を明らかにすることを目的として,本年度ではまず,共発現細胞系を構築し,H3Rの細胞内局在およびノルアドレナリントランスポーター(NET)とH3Rとの細胞質内/細胞膜での蛋白質相互作用を検討した。NET蛋白質の発現はhNET1抗体を用いたウエスタンブロットにより,H3R発現はc-Myc抗体による細胞免疫染色により,さらに蛋白質相互作用は免疫沈降法により評価した。ここでH3Rには3種の機能的アイソフォームが報告されており,さらにわれわれはスプライシング位置の異なる新規アイソフォームを見出しているため,これら4種のアイソフォームを検討に供した。その結果,アイソフォーム間のスプライシング位置の違いにより,NET蛋白質との相互作用が異なることが明らかとなるとともに,新規H3Rアイソフォームは,受容体活性を欠失しているものの細胞膜に移行/発現し,野生型アイソフォームの発現制御を介してH3R機能に影響している可能性を見出した。よって今後は,NET蛋白質と相互作用するH3Rの部位を特定するとともに,膜発現に関与する各種細胞内蛋白質との相互作用を検討していく予定である。
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