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2011 年度 実績報告書

転写因子Dec2とSoxファミリー蛋白の相互作用による軟骨分化制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 22592067
研究機関広島大学

研究代表者

藤本 勝巳  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40294566)

キーワード軟骨分化 / 転写因子
研究概要

bHLH型転写因子Dec2の軟骨分化における役割を解明することを目的として、研究を進めている。これまでの研究結果から、軟骨分化に対してDec1は促進的に作用し、一方、Dec2は抑制的に作用することが分かってきた。そこで、Dec1,Dec2の転写制御メカニズムを明らかにするために以下の実験を行った。
まず最初に、Dec2とSox6およびSox9の相互作用について解析した。軟骨前駆細胞株であるATDC5を用いて免疫沈降法で解析したところ、Dec2はSox6と強く、Sox9とは弱く結合することを明らかにした。一方、Dec1はSox6,Sox9と結合しなかった。
次に、ルシフェラーゼアッセイを行い、II型コラーゲンおよびSox9遺伝子プ戸モーター活性に対するDec1,Dec2,Sox6,Sox9の影響について解析した。その結果、Sox9はII型コラーゲン遺伝子のプロモーター活性を促進したが、Sox6,Dec1,Dec2はII型コラーゲン遺伝子のプロモーター活性に影響しなかった。また、Sox9,Dec2はSox9遺伝子プロモーター活性を抑制した。しかし、Dec1はSox9遺伝子プロモーター活性に影響しなかった。さらに、Sox9遺伝子の上流領域を解析したところ、多数のSox応答配列が見つかった。これらの実験結果から、Dec2はSox9の発現を抑制することで軟骨分化に対して抑制的に働いていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ほぼ当初の研究計画通りに研究が進んでいる。具体的には、Dec2とSox蛋白との相互作用を証明した。また、プロモーターアッセイ等の分子レベルの解析を行うことで、Dec2の作用機序が明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

今回の実験結果から想定される転写制御メカニズムを検証するために、今後クロマチンレベルでの解析の必要があると考えている。そこで、Sox9遺伝子の発現調節領域におけるDec2蛋白の結合やヒストンのメチル化およびアセチル化に対するDec2の影響をクロマチン免疫沈降法で調べる予定である。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Time-dependent interaction between DEC2 and C/EBPα underlies the circadian expression of CYP2D6 in serum-shocked HepG2 cells2012

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga N, et al
    • 雑誌名

      Molecular Pharmacology

      巻: (In Press)

    • DOI

      DOI:10.1124/mol.111.076406

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Smad3 and Snail show circadian expression in human gingival fibroblasts, human mesenchymal stem cell, and in mouse liver Corresponding2012

    • 著者名/発表者名
      Sato F, et al
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun.

      巻: 419(2) ページ: 441-446

    • DOI

      DOI:10.1016/j.bbrc.2012.02.076

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Regulation of basic helix-loop-helix transcription factors Dec1 and Dec2 by RORα and their roles in adipogenesis2012

    • 著者名/発表者名
      Ozaki N, et al
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 17(2) ページ: 109-121

    • DOI

      DOI:10.1111/j.1365-2443.2011.01574.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Basic helix-loop-helix transcription factors DEC1 and DEC2 regulate the paclitaxel-induced apoptotic pathway of MCF-7 human breast cancer cells2011

    • 著者名/発表者名
      Wu, Y., Sato, F., Bhawal, U.K., Kawamoto, T., Fujimoto, K., Noshiro, M., Morohashi, S., Kato, Y., Kijima, H
    • 雑誌名

      Int. J. Mol. Med.

      巻: 27(4) ページ: 491-495

    • DOI

      DOI:10.3892/ijmm.2011.617

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Basic helix-loop-helix transcription factor DEC1 negatively regulates cycl in D12011

    • 著者名/発表者名
      Bhawal UK, et al
    • 雑誌名

      J.Pathol.

      巻: 224(3) ページ: 420-429

    • DOI

      DOI:10.1002/path.2878

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 無血清で増幅した間葉系幹細胞と歯髄細胞2011

    • 著者名/発表者名
      加藤幸夫, ら
    • 雑誌名

      広島歯科医学雑誌

      巻: 39 ページ: 1-8

  • [学会発表] 間葉系幹細胞の軟骨分化におけるDEC2の役割2011

    • 著者名/発表者名
      笹本智子, 他
    • 学会等名
      第52回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      20110513-20110514
  • [学会発表] 間葉系幹細胞の増殖・分化ならびにインテクリン発現に対する転写因子GATA6の作用2011

    • 著者名/発表者名
      道田将彦, 他
    • 学会等名
      第52回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      20110513-20110514
  • [学会発表] 核内受容体RORαによる時計遺伝子DEC1,DEC2の発現調節と脂肪分化2011

    • 著者名/発表者名
      尾崎徳継, 他
    • 学会等名
      第52回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      20110513-20110514
  • [学会発表] 細胞表面抗原を指標とした口腔内からの骨前駆細胞の分取2011

    • 著者名/発表者名
      鎌田浩一、藤本勝巳、西村正宏、末廣史雄、貞森紳丞、赤川安正、加藤幸夫
    • 学会等名
      第52回日本生化学会中国・四国支部例会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      20110513-14
  • [学会発表] 無血清培地STK2によるヒト歯髄細胞の増殖および石灰化能への影響2011

    • 著者名/発表者名
      藤井紗貴子, 他
    • 学会等名
      第50回広島県歯科医学会第95回広島大学歯学会
    • 発表場所
      広島市
    • 年月日
      2011-11-13

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公開日: 2013-06-26  

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