研究課題/領域番号 |
22592076
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
加茂 政晴 岩手医科大学, 歯学部, 准教授 (40214564)
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研究分担者 |
石崎 明 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20356439)
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (80326694)
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研究期間 (年度) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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キーワード | アノイキス / EMT / TGF-β / 口腔扁平上皮癌 / 上皮間葉転換 / 細胞遊走 / プロテオミクス |
研究概要 |
癌の転移において、足場依存性のアポトーシスであるアノイキスからの回避がまず重要である。アノイキスからの回避には我々が見出したgalectin-1とEGFRとの相互作用以外にも、TGF-βなどによる上皮間葉転換(EMT)により間葉系細胞の性質を得ることにより可能である。しかしながら、hOSCC細胞の浸潤・転移におけるTGF-βの作用は明らかではないので、上皮間葉転換機構と細胞運動への関与を検討した。 6種のhOSCC細胞において、TGF-β1への応答として、Smad2のリン酸化とTGF-β1ターゲット遺伝子の発現を解析した結果、強く応答する細胞株としてHSC-4細胞が見出された。そこでHSC-4細胞についてEMTの誘導を調べた結果、間葉マーカーであるN-cadherinやvimentinの発現上昇が顕著に見られた。一方上皮マーカーであるE-cadherinの発現は低下しなかったが、タンパク質の局在は細胞内部へ移行した。またTGF-β1刺激によりEMT関連転写因子であるSlugの発現量の増加がみられた。SlugのノックダウンによりTGF-β1刺激によるvimentinの発現上昇は抑制された。TGF-β1刺激によってHSC-4細胞の遊走能は増加したが、Slugのノックダウンによりこの亢進は抑制された。TGF-β1により誘導される細胞外基質を探索したところ、integrin α3β1に結合するタンパク質である複数のタンパク質が同定された。Integrin α3およびβ1のブロッキング抗体、あるいはFAKのリン酸化阻害剤を作用させたところ、TGF-β1による遊走能の増加は抑制された。以上の結果により、HSC-4細胞においてはTGF-β1刺激により誘導される上皮間葉転換、及び同刺激によりintegrin α3β1/FAK依存的に誘導される遊走能はSlugを介することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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