研究課題/領域番号 |
22592083
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
倉林 亨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60178093)
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研究分担者 |
角 保徳 国立長寿医療センター, 歯科口腔先端診療開発部, 部長 (30187801)
渡邊 裕 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (00361709)
島田 康史 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60282761)
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キーワード | OCT / 画質評価 / MTF |
研究概要 |
当該年度は、前年度に引き続き、光干渉断層画像診断法により得られる画像(OCT画像)の画質評価を中心として研究を行った。OCT画像の歯科臨床への応用のために、その空間分解能を正確に評価することが重要である。一般に画像の空間分解能評価のためにはMTF(変調伝達関数)が用いられるが、これまでにOCT画像のMTFについて検討した研究は皆無であった。本研究では、MTFを用いてOCT画像の空間分解能を定量的に評価することに加えて、更にその位置依存性についても明らかにすることを目的とした。 本研究においては、ガラスエッジファントムを用いて繰り返し50回のOCT撮像を行い、得られた大量の画像データを基にMTFの計測を行った。計測のためには、研究分担者らが開発した独自のソフトウェアを用いた。MTFの位置依存性を評価するために、撮影範囲内の中央部と辺縁部においてそれぞれ計測を行った。その結果、MTFが10%に低下する時の空間周波数、すなわちOCTのMTF10は約12lp/mmであり、部位による違いはほとんど認められなかった。現在歯科領域で最も解像度が高いとされる歯科用CT画像のMTF10は2-3lp/mm程度であることから、本研究によって、OCT画像の卓越した空間分解能を初めて定量的に示すことができた。 結論として、OCT画像の分解能は歯科用CTを遥かに上回るものであり、撮影領域内での均一性も優れていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の大きな目的の1つであったOCT画像の定量的な画質評価法を開発、確立することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまではファントムを用いた研究を行ってきたが、更に具体的な臨床応用を意図して、今後はラットの臼歯および歯槽骨を用いて研究を行い、OCTによる微小構造描出の可能性と限界を明らかにする予定である。
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