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2011 年度 実績報告書

シェーグレン症候群の酸化ストレス制御による口腔乾燥症状緩和に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 22592085
研究機関新潟大学

研究代表者

相田 美和  新潟大学, 医歯学系, 助教 (20258528)

キーワード歯学 / 細胞・組織 / 酸化ストレス / 唾液腺
研究概要

シェーグレン症候群は、口腔乾燥とドライアイを主症状とする自己免疫疾患である。その標的組織である唾液腺と涙腺は慢性的な炎症状態にあり、酸化ストレスの影響を受けていると考えられる。
そこで、酸化ストレスが唾液腺細胞に与える影響を検討するため、酸化ストレスによるタンパク質発現の変化をマイクロアレイで解析した。
解析には、モデル細胞として、唾液腺(顎下腺導管部由来)細胞株A-253を、酸化ストレス源としてH_2O_2を用いた。また、(1)定常状態、2つの酸化ストレス条件(2)酸化ストレス抵抗性を示す条件(生存率・増殖能は正常)(3)細胞増殖が抑制される条件、の3条件下で比較した。
H_2O_2処理細胞では(2)(3)どちらの条件でも、抗酸化ストレス分子やDNA損傷に対応する分子の発現上昇と共に、炎症性サイトカイン発現量の著しい上昇が観察された。また、(2)の条件下では、炎症性サイトカインの発現上昇に関わるNFkBパスウェイを促進する分子と抑制する分子の両方の発現量が増加していた。その均衡がどちらに傾くかが問題となると考えられる。さらに、(3)条件ではアポトーシス関連分子の発現が上昇していた。
シェーグレン症候群患者唾液腺組織では、導管部周辺にリンパ球の浸潤が観察されている。今回の結果から、導管部細胞による炎症性サイトカインの分泌がその理由のひとつであり、酸化ストレス下ではそれが増強される状態が持続していることが推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成23年度は、前年度の研究成果から設定した実験条件に基づいた網羅的解析をすることができた。

今後の研究の推進方策

今後は、前年度までの網羅的解析で得られた結果について、個別に詳細な検証を行う。
また、本研究課題は、酸化ストレス条件下での解析を目的とするものであるが、定常状態での働きが明らかでない因子の関与が多大である可能性も考えられる。その場合は、その因子の定常状態の機能、特徴についても実験を行い、結果を比較するよう対応する。

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公開日: 2013-06-26  

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