研究課題/領域番号 |
22592092
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80284701)
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研究分担者 |
角 美佐 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90284702)
佐々木 美穂 長崎大学, 長崎大学病院, 助教 (10437874)
木村 泰男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30253686)
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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キーワード | 再生医学 / 核磁気共鳴撮像法 / 軟骨 / 拡散強調撮像法 |
研究概要 |
3次元的に再構築された軟骨組織において、現時点では移植した軟骨の分化、移植組織成熟の程度、さらには微細な石灰化の3次元構造などを非侵襲的に評価することは困難である。関節軟骨の質量の70-80%を構成する水分子は細胞膜や細胞外基質によって運動が複雑に制限され、複数・多方向の拡散成分を示す。組織内の水分子の運動性と軟骨の材料特性との間にある密接な関係を把握するために、MR拡散強調撮像におけるみかけの拡散係数を求めることは非常に有用な知見を与えてくれる。 C57BL/6マウス脛骨ならびに腓骨より骨髄を採取し、プレート培養により得られた単層付着細胞懸濁液と、細胞足場材料としてのコラーゲンスポンジから軟骨組織を作製することを試みているが、均質な軟骨組織を得ることが困難で、現時点では再生軟骨組織を同定するのに十分なS/Nが得られる最適b値の設定までには至っていない。 骨粗鬆症などの老化現象が進行しているFlap endonuclease 1 (FEN-1)欠損トランスジェニックマウスより得られた、肺線維芽細胞初代培養株からin vitroにおける組織(細胞)内拡散係数を測定し、この細胞株の値と野生型マウスから得られた値を比較することで、3次元的再生軟骨を作成するに当たっての基礎データを収集した。 また、上記の拡散現象に影響を与えるであろうと考えられる周囲組織の灌流現象について、悪性腫瘍(副鼻腔腫瘍、悪性リンパ腫、鼻咽腔腫瘍、中咽頭腫瘍、唾液腺腫瘍)の撮像から得られた拡散強調撮像を用いて、その関係性を考察し、論文として発表した(以下13.研究発表参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
骨髄から得られる再生軟骨組織の均質性が不安定なため、拡散強調像にばらつきが発生し、最適b値の決定が容易ではない。
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今後の研究の推進方策 |
拡散強調撮像が可能な十分量の軟骨組織の作成を急ぐとともに、当初より予定している、生体内(in vivo)における内軟骨性骨化のADCを用いた画像評価を遂行するため、ヌードマウスへの移植による方法だけでなく、内軟骨性骨化が観察されるマウス胎児の骨を用いた計測も平行して行う。
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