研究課題/領域番号 |
22592093
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60165701)
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研究分担者 |
犬童 寛子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00301391)
富田 和男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60347094)
岩下 洋一朗 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70168566)
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キーワード | がん / 放射線治療 / ミトコンドリア / 活性酸素 / アポトーシス |
研究概要 |
平成22年度の結果を踏まえ、ミトコンドリアに局在しスーパーオキサイドラジカルを消去するMnSODに注目し、ミトコンドリア発生ROS、脂質過酸化、アポトーシスの減少を観察した。 1)MnSOD過剰発現細胞株をDMEM培地で培養し、細胞に日立社製MBR-1505R(現有)を用い、18.8Gyを照射した。 2)MnSOD過剰発現細胞株に照射を行い、活性酸素(ROS)発現について、蛍光試薬(HPF)を用いて、既存の共焦点レーザー顕微鏡(波長488nm)で観察し半定量的解析を行った。MnSOD過剰癸現細胞株では、活性酸素発生の低下が認められた。 3)MnSOD過剰発現細胞株に照射を行い、脂質の過酸化を当教室にて開発された技法(Majimaら、Oxidants and antioxidant,2002.およびMotooriら、CancerRes.2001)を用い調べた。照射された細胞を固定後、脂質の過酸化をHNE染色法で検出した結果、MnSOD過剰発現細胞株では、脂質過酸化の低減が認められた。 4)MnSOD過剰発現細胞株に照射を行い3日後にHoechst33342法で検討し定量解析を行なった結果、MnSOD過剰発現細胞株では、アポトーシスの低減が認められた。 5)以上の結果から、MnSOD過剰発現細胞株においておよびベクター細胞において、放射線照射後のROS、脂質過酸化およびアポトーシスについて相関を調べ、3者に相関があることが認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
放射線照射後にMnSOD過剰発現細胞株においておよびベクター細胞のミトコンドリアから産生されるROS、脂質過酸化およびアポトーシスに相関が得られたことから、ミトコンドリア由来活性酸素がアポトーシス発現に重要な役割を示すことが証明された。
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今後の研究の推進方策 |
研究の遂行上、ミトコンドリアの関与を示す必要がでてきた。本研究では、ミトコンドリア由来活性酸素の発現が重要であるが、MnSODの作用も否定できない。そこで、ミトコンドリアに局在しないMnSODを作成し、その効果が維持できるかを調べる必要がでてきた。平成24年度は、ミトコンドリアに局在しないMnSODを作成し調べることとした.
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