研究課題/領域番号 |
22592094
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
末永 重明 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00136889)
|
研究分担者 |
富田 和男 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60347094)
犬童 寛子 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (00301391)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60165701)
|
キーワード | エストロゲンレセプター / エストロゲン / ミトコンドリア / トランェクション / 蛍光免疫染色法 / Western blot法 / アンチオキシダント効果 / プロオキシダント効果 |
研究概要 |
エストロゲン(E2)依存性疾患の治療において、エストロゲンレセプター(ERs)やプロゲステロンレセプターの発現の有無は、治療効果を左右する極めて重要な因子である。ミトコンドリア内に存在するER(α,β)の発現量が炎症や腫瘍病変のE2作用を左右し、さらに、ROS産生やアポトーシスに対するアンチオキシダント効果とプロオキシダント効果は、E2濃度に依存するのではないかと考えた。 材料と方法:WI38正常線維芽細胞、線維芽細胞悪性転換株(VA13)、RA線維芽細胞および、それらのERα発現抑制細胞を用いて、次の研究を行った。 上記細胞を用いて、E2前処理を行い、サイトカイン刺激および無刺激下で培養を行った。E2濃度は10^<-9>から10^<-4>Mの範囲とした。培養細胞内のROS産生はHPF蛍光試薬を用い、過酸化脂質検出は細胞を固定後、HNEモノクローナル抗体による免疫染色を行、レーザー共焦点顕微鏡(波長488nm)にて半定量的に評価した。 結果:(1)WI38細胞で、ROS産生はE2濃度10^<-4>Mで抑制された。VA13細胞では、E2濃度10^<-4>MでROS産生は増加した。また、RA細胞においては、ROS産生はE2濃度10^<-4>Mで増加し、逆に10^<-9>M~10^<-6>Mでは抑制がみられた。(2)RA細胞におけるERα発現抑制下では、E2濃度10^<-9>M~10^<-6>MでROS産生の抑制は認められなかった。(3)RA細胞で、過酸化脂質産生はE2濃度10^<-4>Mで増加し、10^<-9>M~10^<-6>Mでは減少した。まだ、ERαの発現を抑制すると、E2濃度10^<-9>M~10^<-6>Mで過酸化脂質産生の抑制効果は見られなかった。 現在、WI38およびVA13細胞におけるERsの発現抑制細胞モデルの作成についても研究を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
エストロゲンレセプター(ER)過剰発現の細胞モデル作製が難しいため。
|
今後の研究の推進方策 |
上記理由により、WI38、VA13およびRA細胞内のER発現量は各親株細胞とER発現抑制細胞を用いて測定し、今後の研究を推進していく。研究計画を変更しても研究の目的達成度や結果に影響はさほどないと考えられる。
|