研究課題/領域番号 |
22592095
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
神原 賢治 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (60305141)
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研究分担者 |
小松澤 均 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90253088)
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キーワード | LL37 / DNA / TLR9 |
研究概要 |
歯周病は口腔内における慢性疾患の代表的な疾病であるが、それら発症機序の詳細に関してはあまり明らかとなっていない。慢性疾患である乾癬において自然免疫機構の一つである抗菌性ペプチドLL37が、疾患の成立や維持に大きくかかわっていることが示されていることから、歯周病においても何らかの影響をもたらしているのではないかと考えられる。昨年度までに、LL37の化学合成と精製の後に、細菌由来のDNA(bDNA)どの相互作用に関して検討を行ってきており、本年は、更にLL37-bDNA複合体を用いた細胞への影響に関して重点的に行った。まず、評価に使用した細胞はTLR9の発現が報告されているhGFを中心に行った。また、感染初期段階におけるモデルとして上皮系細胞Oba-9細胞やCa9-22細胞も考慮し、Oba-9細胞ではTLR9の発現を共焦点顕微鏡下で確認した。まず、hGF細胞へLL37とDNA単独で細胞の応答をTLR9、TFN-αとβ、TNF-αのmRNAの発現を指標に検討した。抽出したDNAを培地に直接添加する事で細胞の刺激を行ったが、各mRNAの発現量は、顕著に反応しなかった。また制限酵素を用いて断片化した物や、LL37とDNAの複合体を形成させたものも、同様に反応に乏しかった。蛋白レベルで評価するために、TLR9の発現の変化をフローサイトを用いて検討した。しかしながら、現時点で顕著な発言の変化は認められていない。さらに詳細な検討が必要と考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用している細胞の応答がまちまちであり、評価系が安定していない。
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今後の研究の推進方策 |
樹状細胞等ではLL37とDNAとが複合体を組むことで、刺激を持続的に入れ、免疫系の活性化に寄与しているが、繊維芽細胞や上皮細胞においては刺激が入りにくくしている可能性もある。これら相反する効果があるかどうかを、使用する細胞等を検討するなどで、明らかにしていく。
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