研究課題/領域番号 |
22592105
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研究機関 | 大阪歯科大学 |
研究代表者 |
澤井 宏文 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (40298823)
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研究分担者 |
益崎 裕章 琉球大学, 医学研究科, 教授 (00291899)
堂前 尚親 大阪歯科大学, 歯学部, 名誉教授 (60115889)
長野 豊 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (80228048)
居波 薫 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (40548327)
能登原 靖宏 大阪歯科大学, 歯学部, 研究員 (10548324)
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キーワード | 歯周病 / メタボリックシンドローム / グルココルチコイド / 11β-HSD1 |
研究概要 |
メタボリックシンドロームにおいて脂肪組織における細胞内グルココルチコイド活性化酵素11β-HSD1の活性化が重要な役割を担うことが近年明らかになってきた。メタボリックシンドロームは脂肪組織の慢性炎症状態と考えられており、他の組織の慢性炎症状態における11β-HSD1の関与も報告されてきている。本研究では、歯周組織の慢性炎症状態である歯周病における新たな治療ターゲットとして11β-HSD1の役割について解明し、メタボリックシンドロームの新規治療薬として期待されている11β-HSD1阻害剤による歯周病治療の可能性を探求する。 本年度は、まず健常人および歯周病患者から歯周組織を採取し、11β-HSD1の発現についての比較検討を行った。健常人の歯周組織は矯正治療のために抜歯する際に付随して取れる歯周組織を利用し、歯周病患者の歯周組織は歯周病治療のために切除された歯周組織を利用した。歯周組織の採取に当たっては、患者に研究の必要性や意義についての十分な説明を文書で提示し、説明内容が十分に理解されたことを確認した上で同意を得てから行った。11β-HSD1の発現の検討には、RT-PCR法による11β-HSD1 mRNA発現量の測定を行った。今までに得られた結果では、健常人の歯周組織および歯周病患者の歯周組織において11β-HSD1 mRNAの発現が確認され、健常人と歯周病患者を比較すると歯周病患者の方が11β-HSD1 mRNA発現量が増加する傾向が見られた。今後さらに症例数を増やして11β-HSD1 mRNA発現量の測定を行い、健常人と歯周病患者との間に統計学的に有意差が見られるかどうか検討するとともに、実験動物を用いて歯周病モデルを作製し歯周病における11β-HSD1の役割について検討を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常者および歯周病患者の歯肉採取症例数が予想していたよりも少なく、RT-PCR等の実験データがまだ十分に集まっていないため。
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今後の研究の推進方策 |
研究分担者以外にも健常者および歯周病患者の歯肉採取に協力してもらい、RT-PCR等の実験データをさらに増やして、健常者と歯周病患者の11β-HSD1m RNA発現量に統計学的に有意な差があるかどうかを検討する。
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