FELの極短パルスの効果に着目し、Er:YAGレーザーと同じ2.94μmの波長に調整したFELを用いて、ウシ象牙質蒸散時の様相を高速度カメラにて観察するとともに、蒸散時の削片を走査電子顕微鏡(SEM)にて観察し、蒸散深さをEr:YAGレーザーと比較検討した。さらに、FELの波長を2.50、2.94、3.50、4.00μmに変化させてウシ象牙質に照射した際の蒸散深さ、照射部(照射側)および照射部直下の試料背面(歯髄側)の温度上昇を放射温度計にて測定した。その結果、2.94μmに近似した波長で、パルス幅が熱緩和時間よりも短いレーザーを使用することで、象牙質を効率的に蒸散できることが判明した。
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