研究概要 |
現在までに我々が開発した多目的チャンネルを内蔵した歯科用内視鏡,並びに,開発内視鏡を用いた根管内ナビゲーションシステムの診断精度の向上を目的として,歯科用内視鏡画像のひずみ補整を行う.これは,根管壁に存在する側枝や穿孔などの解剖構造や障害の画像診断精度に大きく影響すると考えられ,画像ひずみの補正により,正確な画像診断,ナビゲーション構築にも繋がると思われる.そこで本年度では画像ひずみのアルゴリズムから画像補正ソフトを設定した.まず,内視鏡カメラキャリブレーションは,OpenCVを用いて行い,カメラレンズの半径方向および円周方向の歪みパラメータを算出し,また焦点距離,画像中心主点(レンズの光学的な中心)を推定した.次に,入力画像をシェーダ(OpenGL Shading Language)による歪み補正を行った.具体的には,入力画像を同じサイズの矩形テクスチャに格納し,推定したカメラパラメータを用いて歪み補正したテクスチャ座標を算出した.これにより,モニタ上の根管内視鏡画像の歪みが補正され,正確な画像を表示することができた.今後,今回補正した画像と元画像とを比較検討する予定である.対象となる被験歯には,前述したヒト抜去歯(上顎中切歯)ファントムモデルを被験体として,歯科用Cone beam CT PSR9000N(朝日レントゲン工業社製)を用いて抜去歯植立ファントムの3次元画像情報を取得する。撮影条件は,同様とし,CTデータセットから画像解析ソフトにて抜去歯の3次元再構築モデルを作成する.得られた3次元再構築モデルから仮想内視鏡画像を制作する。得られた仮想内視鏡像と内視鏡画像の統合を行い,その一致率を各段階の画像で比較することから精度の検証を行う。
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