| 研究概要 |
本研究の目的は,デンタルインプラントによる治療において,ソケットプリザベーション後の骨の性状,埋入されたインプラント体との接触状態,および経時的な骨の動態などについて組織学的に検索し,ソケットプリザベーションのインプラント治療における有効性や信頼性および予知性を検討することである.平成22年度においては,実験動物としてビーグル犬を2頭用い,ソケットプリザベーションおよびインプラント埋入実験を行った.全身麻酔下で下顎両側第一、第二前臼歯を抜歯し抜歯窩を4ヶ所作製した.下顎枝から採取した骨を自家骨として用い,一方の抜歯窩には自家骨のみを填塞し,もう一方の抜歯窩にはβ-TCPを填塞し,抜歯窩を縫合し3ヶ月間抜歯窩の治癒を待った.他の片側の抜歯窩はコントロールとし,一方の抜歯窩は自家骨のみ填塞しソケットプリザベーションを行い,もう一方の抜歯窩は何もせず通常の抜歯窩の治癒として3ヶ月間待った.3ヶ月後,実験側においてソケットプリザベーションを施した2ヶ所の歯牙欠預顎堤-に,インプラント埋入用コントローラーを用いてインプラント窩を形成し,Branemark Implant(Nobel Biocare)をそれぞれ埋入した.コントロール側はインプラントを埋入せず,経過観察とした.本年度は,一匹目の実験動物において,インプラント埋入手術後3ヶ月の治癒期間を待っているのと同時に,二匹目の実験動物において,歯牙を抜歯しソケットプリザベーションを行い,抜歯後3ヶ月の治癒期間を待っている状況である.
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