研究概要 |
本研究は,自立した生活を送っている比較的健康な高齢者を対象に,5年間以上のコホート研究を行い,口腔機能や口腔関連QOLの変化を検討した.さらに,「歯や口腔機能の変化が口腔関連QOLに影響を及ぼす」という仮説の検証のために,残存歯数の変化や客観的な口腔機能の評価方法の一つである咬合力の変化を説明変量とした口腔関連QOLの重回帰モデルを構築したその結果,口腔関連QOLは各個人の影響を強く受けている一方で,口腔の状態や機能の低下が口腔関連QOLに影響を及ぼしていることが示された.したがって,適切な口腔管理を行い歯の喪失を防ぐこと,また歯を喪失しても咬合力の低下を防ぐことが,高齢者の口腔関連QOLの変化に関連すると示唆された.
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