研究概要 |
ポータブル筋電計で測定する睡眠時顎筋活動を客観的な指標として,質問紙法による睡眠時ブラキシズム(SB : Sleep bruxism)の評価項目およびブラキシズム習癖指数の妥当性を明らかにすることを目的とした.広島大学歯学部学生37名(男性21名;平均年齢22.9歳,女性16名;平均年齢23.6歳)を研究対象者とした.SBに関する質問に対して"あてはまる","ややあてはまる","あまりあてはまらない","あてはまらない"の4段階で回答させ,それぞれに3,2,1および0の点数を与え,これらの合計をブラキシズム習癖指数とした.睡眠時顎筋活動をポータブル筋電計(Actiwave EMG : CamNtech, Ltd.)を用いて2夜記録した.最大噛みしめ(Maximum Voluntary Contraction : MVC)を100%MVCとして,睡眠1時間あたりの10%MVC以上,20%MVC以上,30%MVC以上,40%MVC以上,50%MVC以上,60%MVC以上,70%MVC以上,80%MVC以上,90%MVC以上および100%MVC以上のそれぞれの筋活動持続時間(Duration)を求めた.SBの質問項目およびブラキシズム習癖指数とDurationの関連を検討するため,スピアマンの順位相関係数を求めた.尚,統計学的判定は危険率5%とした. SBの質問項目と各水準(%WVC)以上のDurationの相関係数(R)は0.14~0.47の値を示した.ブラキシズム習癖指数と各水準(%MVC)以上のDurationの相関係数(R)は0.33~0.40の値を示し,いずれも有意な正の相関を示した(p<0.05).以上の結果から,ブラキシズム習癖指数とDurationは関連しており,質問紙法に妥当性があることが示された.この結果は質問紙法がブラキシズムの客観的評価に応用可能であることを示唆している.
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