研究課題
顎口腔系に異常のない健常有歯顎者6名(男性4名,女性2名,平均年齢27.2±6.2歳)を対象とし睡眠中に観察される咀嚼運動時のような周期性のある律動的な咬筋活動(RMMA)時のBurst(Onset、Peak、Offset)と顎運動(閉口相、咬合相、開口相、遷移相)について検討した結果、咬筋活動のOnsetは閉口相(31.1%),咬合相(28.3%),開口相(35.2%)で認められ,またPeakは開口相(47.0%),Offsetは閉口相(44.7%)で多く認められた。Peakの顎位は咬頭嵌合位より2.26±1.81mm離れた位置で生じており,また68.5%が1mm以上離れた顎位で発現していた.Peakでは作業側方向に向かうものが63.0%,平衡側方向に向かうものが37.0%であった。犬歯尖頭や臼歯頬側咬頭に生じる咬耗との関連で興味深い頬側咬頭外斜面の滑走運動と思われる運動も観察された。また、健常有歯顎者3 名を被験者とし睡眠中の覚醒反応時の顎運動について観察した結果、覚醒は、平均13.3回生じ、そのうち85.7%が体動を、77.5%が睡眠時ブラキシズム(SB)様の顎運動を伴っていた。顎運動を伴うもののうち、67.2%が2sec 以上同じ顎位を維持するクレンチングを、97.4%が2sec 未満の顎運動を行っていた。同じ被験者群においてSB は、平均22.7回発現しており、臨床的に顎口腔系への影響を評価するためには、従来解析から除外されてきた覚醒反応時においても高い頻度で何らかの顎運動が生じていることを考慮に入れる必要がある。このように睡眠中の顎運動を解析対象とすることで筋活動などの生体信号からだけでは明らかにすることができなかった現象を明らかにすることが可能となりこれまで提供されることがなかった睡眠中の下顎の動態に対する基礎的なデータを提供できた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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四国歯学会雑誌
巻: 25 ページ: 1-9