研究分担者 |
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
小城 辰郎 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (80153542)
中本 哲自 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (30514989)
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60397940)
牧野 路子 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (50550729)
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研究概要 |
インプラント治療はその予知性の高さから欠損補綴治療のひとつのオプションとして広く用いられているものの,インプラント埋入部位の顎骨や軟組織が吸収されていることが多く,移植術が行われるものの,術後の感染を防ぐため,より速やかな創傷治癒が望まれている.軟組織の創傷治癒促進に対し,各種成長因子製剤や遺伝子治療の有効性が報告されているものの,安全性に不安が残っているのが現状である.そこで安全性の高い物理療法である低出力超音波パルス(LIPUS)治療に注目し,歯肉上皮細胞に対するLlPUSの影響を遺伝子レベルでも検討し,低出力超音波が粘膜の創傷治癒の促進効果を示すメカニズムの一端を明らかにすることを目的とした. 本研究ではラットを用いたin vivoの実験系において歯肉上皮の創傷治癒における様々な条件下でのLIPUS刺激の影響を検討し,最適な周波数,出力を決定した. 雄性Wistarラットを用い,ペントバルビタール麻酔下(45mg/kg,腹腔内投与)にディスポーザブルバイオプシーパンチを用い,口蓋正中部に直径5.0mmの骨面までの軟組織の欠損を作製し圧迫止血した.モデル作製翌日よりLIPUS照射(周波数3MHz,出力160mW,照射時間15分)を創傷部に毎日行った.同様に口腔内にプローブを設置するが接続しないものを非照射群とした.照射直後から口腔内写真撮影を行い,創傷治癒を評価したところ,照射3日後においてLIPUS照射群の方が,良好な治癒が認められた.以上より,LIPUS照射は軟組織の術後早期の創傷治癒に有効である可能性が示唆された.
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