研究課題
【緒言】mitf遺伝子に突然変異をもつ小眼球症マウス(mi/mi)は歯の萌出不全を伴うため、咬合することができない。我々は、この小眼球症マウスを歯の萌出不全モデルマウスとして用いて、成長発育過程における咬合の有無が咀嚼筋の筋形成に及ぼす影響を検討した。その結果、成長発育過程における咬合の有無が咬筋におけるシナプス形成に影響を与えていることを示した。本年度はαブンガロトキシン染色、共焦点レーザー顕微鏡により神経筋接合部のアセチルコリン受容体(ACh受容体)クラスター形成の三次元立体構築による解析法を確立することを目的として以下の実験を行った。【材料と方法】Wild type, mi/mi共に生後3週まで母乳で飼育し、その後、離乳させた。離乳後mi/miには粉末飼料を、Wild typeには固形飼料を与えた。生後8週目にWild type, mi/miを安楽死させ、咬筋と腓腹筋を摘出し、直ちに凍結した。摘出した咬筋と腓腹筋のほぼ中央付近の凍結切片を作成し、4%パラフォルムアルデヒドで固定した。Alexa488標識ブンガロトキシンによりアセチルコリン受容体の染色を行い、レーザー共焦点顕微鏡により観察を行った。【結果】mi/miの咬筋におけるアセチルコリン受容体クラスターの分布は、Wild typeの咬筋、mi/mi、Wild typeの腓腹筋と比較して分散していることが観察された。また、mi/miの咬筋には他と比較して、サイズの小さいクラスターがより多く分布していることが観察された。【結論】上記の結果から咬合の有無がラット咬筋におけるアセチルコリン受容体クラスター形成に影響を与えている可能性が示唆された。
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