研究課題/領域番号 |
22592176
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研究機関 | 明倫短期大学 |
研究代表者 |
木暮 ミカ 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 准教授 (10300104)
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研究分担者 |
河野 正司 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 教授 (50014098)
飛田 滋 明倫短期大学, 歯科技工士学科, 准教授 (90323980)
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キーワード | 職業教育 / 実技実習評価 / 歯科技工 / 口腔解剖学 / 客観的評価基準 |
研究概要 |
1.歯型彫刻実習における従来型ヒューリスティック評価方法の検証 (1)客観的な基準を持たない教員の主観による目視評価法と、(2)評価目的を歯の鑑別基準(ミュールライターの三徴候など)に基づく「機能性」8項目と彫刻技法やバランスといった「芸術性」2項目に細分化し、各項目について目視評価する二通りの方法について分析した。その結果、(1)案は基準に客観性が無いため学生へのフィードバックが難しく、(2)案は到達基準を明確にすることで公平かつ客観的な評価基準を設定しているが、評価項目を細分化した結果、必然的に教員への必要労力が増大してしまったため、疲労によるエラーが原因と思われる点数のバラツキが顕著であった。 以上より、実習成果物の評価方法について、歯の鑑別などの数値による分析化が可能な「量:的・解析的評価」は画像解析で自動化し、人間の評価内容を官能評価に限定することで、ヒューマンエラーの低減が図れることが示唆された。 2.自動評価システムの開発 (1)実習成果物撮影装置で得られた歯の写真から歯を自動的に評価するシステムの開発に着手した。 (2)評価内容は、歯の連続性に関する評価基準をもとに評価する。 (3)評価の方法としては、専用ソフトを用いて歯の写真からエッジを抽出し、得られたエッジを元に専用プログラムで自動的にラインを引き、ラインの曲率から歯の連続性を判定し点数化する。 (4)自動評価システムの結果と従来の目視評価法の結果を比較し、その差をフィードバックし改善を繰り返すことで自動評価システムの精度を上げ、ヒューリスティック評価との整合性を図る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
自動評価プログラムを行うためのソフトウェア設計を担当していた(株)サクライ機械開発事業部プログラム設計者が退職したため、その後任の設計者が機器の操作を修得し、当該プログラムの設計を引き継ぐまでの時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
現在の問題点:手動による評価は曲率の見本との差異から判定は可能だが、自動化および撮影装置を含んだシステムの構築については目処が立っていない。 対応策:手動での解析法の正当性をいくつかのモデルで検証し、どういう曲率の時に適正評価になるのかを調べ、統計量を増やす。また曲率以外の評価基準も解析的に数値的に評価できる解析方法を考えて行く。そしていくつかの評価基準が手動で解析できるようになり人的評価とのマッチングを確かめつつ、自動的に評価できるソフトを作り、そのソフトと撮影装置との連動を考えていく。
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