研究概要 |
1.細胞接着タンパク質を固定化したインプラントの作成(早川) 1)細胞接着因子の濃度,反応時間,反応温度などに関する基礎データをもとに、骨折などの手術で金属製プレートを固定する際に用いる長さ6ミリ、直径1.5ミリの純チタン製のネジ(インプラントの代用)に対し、トレシル化処理を施行。トレシル化処理したネジを細胞接着タンパク質(コラーゲン等)と反応させ、タンパク質を化学結合によりネジ表面に固定化し、固定化された細胞接着因子の数や固定化状態をフーリエ変換赤外分光分析(FT-IR)、X線マイクロアナライザー(XPS)、原子間力顕微鏡(AFM)・(いずれも現有)によって観察・確認した。 2動物の顎骨への埋入実験(廣田、小澤) 1)トレシル化処理を施行し、細胞接着タンパク質(コラーゲン等)を固定化した、純チタン製のネジを動物のどの部位に埋入するのか、適当か検討を重ねた。(顎骨内の抜歯窩や口蓋骨などの適応部位を模索) 2)検討の結果、動物の口蓋骨に純チタン製のネジを埋入し、粘膜上皮とチタンの結合も見るために、ネジの一部は粘膜上で口腔内に露出する状態とした。 3)動物に埋入し、一定期間を経過させ、生体との適合性を検討した。 3.短期経過例の観察(廣田、小澤) 1)一定期間後(1週、2週)埋入していた、ネジを周囲組織と一塊にして摘出した。 2)通法に従って、非脱灰薄切切片を作成し、染色後、光学顕微鏡を用いて、骨および軟組織との接触率を測定するとともに,組織学的検討を進める予定であるが、現在標本作製中である。
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