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2011 年度 実績報告書

ヒト歯髄をバイオマテリアルとして用いた骨形成の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22592190
研究機関北海道医療大学

研究代表者

伊藤 勝敏  北海道医療大学, 歯学部, 助教 (50433438)

研究分担者 村田 勝  北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00260662)
キーワードヒト歯髄 / ヒト脱灰象牙質 / BMP / 骨形成
研究概要

研究の目的 歯の形成・維持に重要な役割をもっているヒト歯髄組織には、強力な硬組織形成因子である骨形成タンパク質(BMP)の存在が知られており、通常廃棄される抜去歯に含まれる歯髄組織は、硬組織の再生に利用できる可能性がある。また、肝細胞増殖因子(HGF)は、近年、肝細胞だけでなく様々な組織や臓器の再生機能を有することが解明されており、肝疾患や腎疾患、肺疾患などへの臨床応用が期待されている。神経栄養因子(NGF)は、脳神経の機能回復を促し、アルツハイマー病や痴呆症の治療および予防に効果があるといわれている。また、歯髄と同様に重要な役割をもっている象牙質を脱灰させ(脱灰象牙質)、動物実験に用いた結果、硬組織の再生が認められた。以上より、ヒト歯髄に含まれるBMPおよびHGF、NGFといった組織再生因子のタンパク質の検出と、脱灰象牙質に含まれると予想されるBMP-2タンパク質の検出を目的とした。
研究の結果 ヒト歯髄組織にウェスタンブロッティング法を用いてタンパク質の検出を試みたところ、BMP-2、BMP-7、HGF、NGFといったタンパク質が検出された。また、抜去歯10本を象牙質と歯髄に分別し、象牙質を脱灰、洗浄処理後、4M Gdn-HClを1l用いてBMP-2を抽出した。遠心フィルターを用いて抽出液500mlを156μg/400μlまで濃縮した後、1レーン当たり7.8μg/20μlの濃度でSDS-PAGEを行い、抗BMP-2抗体を用いてウェスタンブロッティングを行った。昨年度の研究結果と比較した結果、ヒト脱灰象牙質にもBMP-2が存在しており、またヒト歯髄組織に含まれるBMP-2と同様に前駆体で存在することが確認された。以上の結果より、ヒト脱灰象牙質も硬組織再生に有用であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒト歯髄組織に含まれることが予想される様々なタンパク質の検出を目的として研究を続けてきたが、ヒト脱灰象牙質を用いた硬組織再生の動物実験において好結果が得られたため、先にヒト脱灰象牙質に含まれることが予想されるタンパク質の検出実験を行った結果、ヒト歯髄組織中のタンパク質の検出実験が遅延することとなった。

今後の研究の推進方策

ヒト歯髄組織に含まれると予想されるタンパク質の検出を続けるが、同様に脱灰象牙質に含まれるタンパク質に関しても検出実験を継続する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] BMPs as Adsorptive Proteins for Ceramic Scaffolds2012

    • 著者名/発表者名
      伊藤勝敏
    • 雑誌名

      Key Engineering Materials

      巻: 493-494 ページ: 808-812

    • DOI

      10.4028/www.scientific.net/KEM.493-494.808

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acid-insoluble Human Dentin as Carrier Material for Recombinant Human BMP-22012

    • 著者名/発表者名
      村田勝、伊藤勝敏
    • 雑誌名

      J Biomed Mater Res A

      巻: 100 ページ: 571-577

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Multinucleated giant cells for biomaterials-Ceramics and dentin collagen-2012

    • 著者名/発表者名
      村田勝、伊藤勝敏
    • 雑誌名

      Key Engineering Materials

      巻: 493-494 ページ: 310-314

    • DOI

      10.4028/www.scientific.net/KEM.493-494.310

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biochemical and histo-morphometrical analyses of bone and cartilage induced by human decalcified dentin matrix and BMP-22011

    • 著者名/発表者名
      村田勝、伊藤勝敏
    • 雑誌名

      Oral Biology Research

      巻: 35 ページ: 9-14

    • 査読あり
  • [学会発表] BMPs as Adsorptive Proteins for Ceramic Scaffolds2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤勝敏
    • 学会等名
      BIOCERAMICS 23
    • 発表場所
      イスタンブール(トルコ)
    • 年月日
      20111106-20111109
  • [学会発表] 自家脱灰象牙質の即時移植と組織生検像2011

    • 著者名/発表者名
      藤井雅之、伊藤勝敏
    • 学会等名
      第37回社団法人日本口腔外科学会北日本地方会
    • 発表場所
      日本歯科大学新潟生命歯学部(新潟県)
    • 年月日
      20110521-20110522
  • [学会発表] ヒト象牙質・歯髄組織におけるBMP-2の検出2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤勝敏
    • 学会等名
      第65回NPO法人日本口腔科学会学術集会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(千葉県)
    • 年月日
      20110421-20110422

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公開日: 2013-06-26  

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