研究概要 |
本研究の目的は、最近歯科補綴物のコーピング材料として用いられるイットリア安定化ジルコニアセラミックス(Y-TZP)に対して最も接着強さが高く、さらに接着耐久性も良好な表面処理ならびに表面改質処理方法を調査、研究することである。表面処理には未処理(NP)、サンドブラスト(ASB)処理、トライボケミカル(TBC)+シランカップリング(SLC)処理、さらに2種類のリン酸エステル系モノマー(AZ: AZ primer , EP: Epricord)を併用するコンビネーション処理を施した後、レジンセメントを用いてチタン接着体を接着させ、せん断接着試験片を作製した。その後、37℃水中に24時間保管、5℃と60℃のサーマル負荷を30,000回負荷させた後、万能材料試験機でせん断接着試験を行った。剪断接着強さは、TBC+SLC処理、さらにリン酸エステル系モノマーのAZとEPでコンビネーション処理を行ったものでは、サーマルサイクル後の低下は見られず(p>0.05)、特 にEPとのコンビネーション処理では最高の接着強さと接着耐久性を示し、Y-TZPに対して有効な表面処理法であることが認められた。
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