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2011 年度 実績報告書

臍帯由来間葉系細胞を用いた組織工学的歯周組織再生材料の開発と臨床研究への橋渡し

研究課題

研究課題/領域番号 22592200
研究機関鶴見大学

研究代表者

金指 幹元  鶴見大学, 歯学部, 助教 (80339811)

研究分担者 片桐 岳信  埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
キーワード移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 生理活性 / 歯学 / 歯周組織再生材料 / 臍帯由来間葉系細胞 / BMP-2
研究概要

鶴見大学歯学部倫理審査委員会の審査と承認(510号)のもと、連携医療機関で書面にて同意の得られた被験者より臍帯の提供を受け研究を行った。本研究の目的はヒト臍帯動・静脈周囲に存在する未分化間葉系細胞を用いた次世代の組織工学的歯周組織再生材料を開発するための基礎データを得ることである。
今年度の臍帯由来間葉系細胞は、より多くのpericyte集団を得るため、臍帯動・静脈周囲に付着しているCollagenase Type Iを用いて37℃で18~24時間酵素消化コラゲナーゼ処理し、可能な限りWharton's jellyを取り除きそのままカルチャーフラスコに静置しoutgrowthした細胞を得る方法(vessel explant)で得られた細胞を用いた。
さらに今年度は、臍帯細胞の優位性を検証するためコントロール細胞として、歯根膜由来細胞(倫理審査委員会承認309号)、ヒト骨髄由来葉系細胞(市販品)を用いた。
上記3つの細胞の3~4継代細胞についてpericyteのマーカーであるCD146陽性細胞を得るためミルテニーバイオテク株式会社細胞分離カラムおよび標識抗体を用いて陽性細胞、陰性細胞に分けた。
生理活性であるBMP-2、FGF-2および硬組織誘導培地(デキサメタゾン、βグリセロリンサン、アスコルビン酸)で分化誘導を行い形成されるNoduleをアリザリン染色することで硬組織形成能をスクリーニング評価した。しかしながら、一般に間葉系幹細胞は接着性の細胞として生体各組織から採取するので、単一の細胞種ではなく複数の種類の細胞から構成されるため、歯根膜細胞、骨髄細胞に比べ臍帯由来細胞の硬組織形成能(染色性)は低い傾向を示した。また同一細胞間でも染色性に違いが認められた。現在RT-PCR法にてCol1,BSP1,Cbfa1,OC,ALP,CD146の遺伝子発現を調べている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

H23年3月11日に発生した東日本大震災に伴う鶴見大学の停電により、培養機器、冷凍庫、冷蔵庫などの電化製品が使用できず、特に培養中の細胞は全滅した。このため新たに初代細胞を得なければならず、計画がやや遅れている(足場材料とのハイブリッド体の作製および実験動物への移植が遅れている)。

今後の研究の推進方策

一般に間葉系幹細胞は接着性の細胞として生体各組織から採取するため、単一の細胞種ではなく複数の種類の細胞から構成される。近年、ヒト間葉系組織、間葉系培養細胞において多分化能を有するが腫瘍性を持たないMuse細胞が東北大学大学院医学系研究科細胞組織学分野出澤真理教授の研究グループより報告された(Kuroda.Y,et al:PNAS,2010/Wakao.S,et al:PNAS,2011)そこで本研究に用いる臍帯よりSSEA-3、CD105二重陽性細胞をFACSにて分離した後に、多能性マーカーを発現したclusterが浮遊培養で形成されることで得られる臍帯由来Muse細胞を分離、培養することで"幹細胞の濃縮"を加える。また今年度は、連携研究者として産業技術総合研究所健康工学健康部門組織・再生工学研究グループ弓場俊輔研究グループ長よりin vitro硬組織形成能の分析について技術移転を予定している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 歯周骨欠損部に移植した培養歯髄細胞の組織学的評価2012

    • 著者名/発表者名
      保母浩児、金指幹元、川本忠文、五味一博
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌

      巻: 55 ページ: 30-37

    • 査読あり
  • [学会発表] 多血小板血漿と多孔性ハイドロキシアパタイトを応用した歯周組織再生療法の7年経過症例2012

    • 著者名/発表者名
      金指幹元(派遣講師)、宮本正章、長野孝俊、日下輝雄、田畑泰彦、五味一博
    • 学会等名
      第1回日本歯周病学会関東9大学・日本臨床歯周病学会関東支部合同研修会
    • 発表場所
      東京医科歯科大学MDタワー鈴木章夫記念ホール
    • 年月日
      2012-02-11
  • [学会発表] DDS徐放化多血小板血漿の歯周組織再生療法への応用に向けた多血小板血漿応用症例の7年経過例2011

    • 著者名/発表者名
      金指幹元、宮本正章、日下輝雄、田畑泰彦、五味一博
    • 学会等名
      第1回DDS徐放化再生医療研究会
    • 発表場所
      日本医科大学同窓会橘桜会館2階ホール
    • 年月日
      2011-12-03

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公開日: 2013-06-26  

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