研究概要 |
各種歯科用モノマーの発生毒性スクリーニング試験法として,従来のin vitro発生毒性試験法であるEmbryonic Stem Cell Test(EST)法のプロトコル改良を試みた.培養液に難溶性のモノマーでは溶媒を使用せずに担体とモノマーを直接接触させる3次元培養法が適当であると考えた 実験にはEST法で使用されるES細胞であるES-D3細胞を含む3種類のマウス由来のES細胞およびマウス由来のiPS細胞を用いて細胞分化レベルを心筋細胞への分化レベルを比較した.ES-D3細胞以外にはフィーダー細胞としてMEFを使用した.さらに、これらの細胞をタイプIコラーゲンゲル、またはガラス繊維を用いて3次元培養した.EL M3細胞はES-D3より少し低い細胞分化率を示した.ES-R1-EGFP B2/EGFP細胞とiPS細胞の分化率はES-D3と比べて低くバラツキも多かった.そのため,これらの細胞では3次元培養法の改良が必要であると考えられた.最も分化率が高かったES-D3細胞でコラーゲンゲルを使用した3次元培養法で各種モノマーについて検討した.Bis-GMA, UDMAおよび4-AETでは心筋への分化率は低い値であったが,4-META, 4-MET等では33%から42%と中等度の分化率であった.4-AETでは培地のpHが大きく低下したことも分化率が低かった原因であると考えられた.また,ガラス繊維はコラーゲンゲルと同じく3次元担体として用いることができることが確認された
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