研究課題/領域番号 |
22592203
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 淳 北海道大学, 病院, 助教 (60319069)
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研究分担者 |
北川 善政 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00224957)
山崎 裕 北海道大学, 病院, 講師 (90250464)
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キーワード | 咀嚼筋 / 口腔顎顔面痛 / 交感神経 / 顎関節症 |
研究概要 |
1.家兎を用いた咀嚼筋の筋病理学的研究:生後3週齢(離乳期)の家兎の片側(右側)の交感神経を切除した(n=5)。6か月後に咀嚼筋を病理組織学的に検討した。「結果」右側で咀嚼できなくなり、右側顎骨の劣成長が認められた。咬筋浅層の筋病理ではタイプ1線維が減少してタイプ2A線維が増加していた。これは遅筋(タイプ1)の萎縮およびタイプ1→タイプ2への転換と考えられた。また、一部の筋線維の壊死や線維の大小不同などの筋原性変化も認められた。「結論」交感神経は筋線維の分化、代謝活性に密接に関与していることが考えられた。また、筋線維の壊死や筋原性変化は筋ジストロフィー発症などとの関連が示唆され、非常に興味深い結果であった。 2.顎顔面痔痛を有さないボランティアに対する咀嚼筋の研究:顎顔面疼痛を有さないボランティア(5人)に対して、咀嚼筋(咬筋・側頭筋)の圧痛の閾値を調べて、下肢を冷却刺激する前後で比較した(予備実験)。「結果」下肢の冷却刺激後の咬筋の圧痛は冷却刺激前の圧痛の閾値よりも低下する傾向が認められた。「結論」冷却刺激により交感神経系が活性化された状態では通常の状態より咀嚼筋の疼痛が生じやすくなる可能性が示された。症例を増やすと共に、冷却刺激の方法や条件などの統一などの課題がみつかった。 3.顎顔面疼痛患者の研究:顎顔面疼痛を有する患者の咀嚼筋(咬筋・側頭筋)の圧痛閾値を計測して健常者ボランティアと比較した(5人)「結果」咬筋・側頭筋の疼痛閾値は患者群の方が健常者よりも低い傾向にあった。「結論」症例数がまだ少なく、来年度もさらに症例の数を増加させていく予定である。
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