研究課題
難治性口腔顎顔面疼痛の患者は増加傾向であるが、その主体は咀嚼筋をはじめとした筋痛であることが多い。しかしその筋痛の病態・成因解明は充分になされていない。 本研究の目的は顎顔面疼痛患者における交感神経活動が慢性の口腔顎顔面痛を有する患者群および健常者のコントロ-ル群の咀嚼筋の疼痛に相違があるかを検索することである。 また顎関節および咀嚼筋の形態・機能がヒトに類似している家兎を用いて、交感神経切除やsoft-diet習慣が咀嚼筋の分化・成長に与える影響を明らかにすることである。1.家兎を用いた咀嚼筋の筋病理学的研究: 家兎の成長期以降(6か月以降)に交感神経切除術を施行して、その6か月以降に咀嚼筋(咬筋)の病理組織学的検索を施行した(N=6)。コントロ-ル群と比較して交感神経切除郡では咬筋浅層の筋線維タイプに差は認めなかったが、咬筋深層では神経切除群のタイプ2A線維の減少およびタイプ2B線維の増加が認められた。また同時にNADH-TR活性の低下が認められた。2.同時に成長期の家兎に骨格、咀嚼筋、神経系の成長、分化に影響を与えると考えられるsot-dietを行って飼育した(N=5)。6か月後に咀嚼筋(咬筋)の病理組織学的検索を施行した。soft-diet群ではコントロ-ル群に比較してタイプ1線維が減少、タイプ2A線維の増加、タイプ2B線維の減少が認められた。3.顎顔面疼痛患者に対して星状神経節にソフトレ-ザ-を照射してその前後の咬筋、側頭筋の圧痛閾値を比較した(N=5)。健常者では照射前後の疼痛閾値に変化は認められなかったが、顎顔面疼痛患者においては照射後には軽度の疼痛閾値の上昇が認められた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of Oral and Maxillofacial surgery, Medicine, and Pathology
巻: 25 ページ: 55-60
10.1016/j.ajoms.2012.01.013