研究課題
材料は純チタンで(Ti)、表面処理には、水酸化ナトリウム水溶液に硝酸亜鉛水溶液を加え、さらに水酸化ナトリウム水溶液を加えて得られたテトラヒドロキシ亜鉛酸錯体を含む水溶液を用いた。チタン基材をこの錯体水溶液に浸漬し、60℃で24時間保持することで試料を作製した(Zr-Ti)。試料の表面性状を電子顕微鏡写真(SEM)、エネルギー分散型X線分析(EDX)、薄膜X線回折(TF-XRD)、X線光電子分光分析(XPS)等で評価した。生体外評価として、亜鉛イオンの除放試験を行った。コントロールには、未処理のTiを用いた。SEMでは、Zn-Tiの表面は、非常に細かい凹凸が形成しており、EDXの元素分析では、亜鉛が検出された。TF-XRDでは、非常にブロードな酸化チタンに相当する回折ピークが検出され、表面にはアモルファスに近い酸化チタンが形成された。XPSからは、TiO_<2-x>の傾斜組成をもち、その表面に約20nmの厚さの化学修飾亜鉛層が認められた。亜鉛イオンの除放試験では、浸漬後4時間以降から徐放し始めることが判った。作製した亜鉛修飾型インプラントは、簡単な表面処理で作製でき、実用化されている金属系インプラントにも適用できると思われた。すでに予備実験を行っているが、平成23年度以降は、本試料を用いて、骨芽細胞の分化・増殖に関する実験を行う。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)
Clinical Implant Dentistry and Related Research
巻: 12(supplement 1) ページ: e114-e125
TANSO
巻: 245 ページ: 183-187
Archives of BioCeramics Researches
巻: 10 ページ: 46-49