研究課題/領域番号 |
22592211
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
米本 和弘 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (80422731)
|
研究分担者 |
柴田 敏之 岐阜大学, 医学系研究科, 教授 (50226172)
牧田 浩樹 岐阜大学, 医学系研究科, 講師 (50345790)
加藤 恵三 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (40397336)
|
キーワード | 癌 / 遺伝子 / 動物 |
研究概要 |
近年、DNAメチル化異常が発がん過程で見いだされ、更にヒストン修飾異常がDNAメチル化異常と関連し、がんの発生や進展に重要な役割を果たしていることが明らかにされつつある。ヒストンメチル化修飾は、転写の不活性化への関与が示唆されているが、口腔発癌においては詳細な機構は未だ不明のままである。そこで本研究では、口腔癌動物モデルとして頻用されている4-ニトロキノリン1-オキサイド誘発ラット舌発癌モデルを用いてヒストンメチル化修飾の関与とその機構について解析し、口腔発癌モデルとしての有用性を検証することを目的とし、本研究によりepigeneticな異常の修復(遺伝子の再活性化など)を動物モデルで確認する事により、動物実験モデルを用いた口腔発癌抑制物質の開発につながるものと考えられる。 平成22~23年度に8週間20ppmの4-NQOの飲水投与後に、5,10,20,32週後に犠牲死した6週齢F344ラットの舌組織(非処置群を含め54検体)から採取した検体より連続切片を作製し、H・E染色により病理組織学的な分類を行った。現在は、ヒストン修飾マーカーやヒストン修飾酵素、ポリコーム複合体関連タンパクについて免疫染色を行い、病理組織学別の発現の解析と、病理組織別に抽出したタンパク質をwestern blotting法により分析し、それぞれのヒストンH3,H4のメチル化レベルの測定を行っている。また、同様にヒストン修飾酵素であるEZH2、LSD1、ポリコーム複合体の1つであるBMI1の発現についてもwestern blotting法により解析する予定である。これらにより、腫瘍組織と正常組織におけるヒストンメチル化レベルおよびヒストン修飾酵素の発現を対比・比較することにより、発癌過程におけるヒストンメチル化の推移について評価し、4NQO誘発ラット舌癌モデルにおいて発癌過程におけるヒストン修飾およびヒストン修飾酵素の関与について検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
western blotting法を用いてヒストンメチル化レベルの測定を行っているが、測定値にばらつきがある。そのため、当初の予定よりやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
western blotting法において安定した測定値が得られない原因として、適切な抗体が選択されていない可能性がある。よって、現在は種々の抗体を用いて解析を進めている最中である。
|