研究課題
われわれは、USAG-1 欠損マウスとBMP7欠損マウスのダブルノックアウトマウス(USAG-1とBMP7の2つの遺伝子がともに欠損したマウス)よるレスキュー実験を行い、BMP7の機能亢進により歯数が増加する事を確認した。また、CEBP/β欠損マウスにおいて、切歯周囲に複数の過剰歯を認め、歯原上皮幹細胞に由来すると考えられた過剰歯を報告した。近年、われわれの研究グループ以外からも、過剰歯を有する遺伝子欠損マウスが相次いで報告され、過剰歯の発症には、以下の大きく2つのメカニズムが存在することがわかってきた。(1) 痕跡的な乳切歯や歯隙部(マウスにみられる切歯と大臼歯間に存在する小臼歯が萌出すべき歯牙の存在しないスペース)に存在する小臼歯などの、発生の過程で本来、退化消失していく歯胚がレスキューされ、発生がすすんで形成されたもの。(2)外エナメル上皮内に存在する歯原上皮幹細胞が、局所で上皮間葉誘導にて歯牙を形成したもの。このことは、1つの遺伝子の発現量, 遺伝子変異で歯数が増加すること意味し,1つの標的分子を局所で操作することにより器官である歯牙を形成することができる可能性を示唆した。その標的遺伝子は複数存在すると考えられた。また、BMP7ヘテロマウスにおいて、下顎切歯、臼歯の体積、断面積が増大していていることを見出した。マウスと同じ哺乳類であるヒトにおいても、永久歯の後継歯(第3生歯)を形成するポテンシャルを持った通常退化消失する痕跡的な第3歯堤が存在することが、以前より報告され、その形成は出生後の永久歯の歯冠形成期とされていた。われわれも上記(1)の過剰歯発症メカニズムが想定された第3生歯と考えらえた多発性の過剰埋伏歯の症例を見出し、報告した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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