研究課題/領域番号 |
22592218
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐々木 匡理 九州大学, 大学病院, 助教 (30346803)
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研究分担者 |
高橋 富美 九州大学, 医学研究院, 助教 (50274436)
梶岡 俊一 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90274472)
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キーワード | 高気圧酸素負荷 / 骨再生 |
研究概要 |
HBO群(高気圧酸素環境1.4気圧)、HBA群(高気圧環境1.4気圧)およびHCO群(高濃度酸素環境)の骨再生への影響について解析を行った。 1)骨形性能評価を術後5日目のH-E染色による組織学的所見にてHBO群、HCO群、コントロール群において、骨欠損部に母床骨に連続しない骨芽細胞を伴う仮骨の形成がみられたが、HBA群の骨欠損部は線維性結合組織で満たされており、仮骨の形成はみられなかった。 2)骨再生能はmicro-CTによる各群のマウスの平均%BV/TV (bonevolume/tissue volume)を比較することで評価した。HBO群はコントロール群と比較し常に高い傾向を示した。HBA群では術後2日以降はコントロール群と比較し抑制傾向を示した。HCO群の術後2日目から5日目においてコントロール群と比較し有意に高く、10日目までは高い傾向を示すが、11日目以降から抑制傾向を示した。それぞれの平均%BV/TVは、HBO群の4、7、14日目でそれぞれ9.4%、24.6%、69.6%、HBA群の4、7、14日目でそれぞれ7.0%、21.0%、61.7%、HCOの4、7、14日目でそれぞれ13.7%、25.9%、58.7%、コントロール群の4、7、14日目でそれぞれ7.2%、22.3%、64.1%であった。 以上の結果より、高濃度酸素環境が骨再生初期には新生骨形成を促進し、高気圧環境が新生骨形成を抑制する相反した作用を示しており、高気圧酸素環境は二つの影響を反映しながら骨再生に複雑に作用すると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞株におけるALPおよびNEATc1プロモーター/ルシフェラーゼレポーターベクターの導入の進行が遅れているため、その後の分化マーカーの解析が遅れていることが影響している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究は1.4気圧での評価を行ってきたが、実際の臨床における高気圧酸素環境は2.0気圧以上であるため、今後は2.0気圧で同様の研究を行う予定である。これにより、より実際の臨床に則した研究が行え、臨床応用へつなげることが可能になると思われる。
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