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2011 年度 実績報告書

歯原性腫瘍の病態解析およびRNAi法やアンチセンス法を用いた遺伝子治療の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22592220
研究機関九州大学

研究代表者

二宮 史浩  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教 (10346801)

研究分担者 窪田 泰孝  九州大学, 大学病院, 講師 (60205151)
キーワード歯原性腫瘍 / RNAi / アンチセンス / 遺伝子治療 / 角化嚢胞性歯原性腫瘍 / CaSR / COX-2 / PGE_2
研究概要

1、歯原性腫瘍の病態解析:手術によって摘出した組織の一部をパラフィン包埋し、連続切片を作成して免疫染色やin situ hybridizationを行い、IL-1αやKGFが発育増大に強く関与していることが確認出来た。また、角化嚢胞性歯原性腫瘍の組織の一部を培養して得た培養上皮細胞および培養線維芽細胞を用いて、その他の発育増殖因子や抑制因子について調べたところ、線維芽細胞がカルシウム感知受容体(CaSR)を発現し、細胞外Ca^+濃度の上昇によってシクロオキシゲナーゼ2(COX-2mRNA)の発現が増強し、その結果プロスタグランジンE_2(PGE_2)の分泌が増加した。
2、アンチセンスの作成:IL-1αやKGFが嚢胞上皮細胞の増殖に大きく関与しており、これらのmRNAが放出されると、それぞれのreceptorにくっつき、核内に情報が伝達されて細胞の増殖がおこる。これらのIL-1αやKGFについてはそのreceptor特有の塩基配列がすでに解っているので、レセプターと同じ塩基配列を持つアンチセンスを作成中である。これらは合成オリゴDNAで作成する事も可能であるが、コストがかかるため、E.Coli(大腸菌)に組み込んで繁殖させてアンチセンスを作成中である。IL-1αやKGF産生細胞の近隣にこのアンチセンスを投与することで、IL-1αやKGFが細胞内のそれぞれのreceptorにくっつく可能性がほとんどなくなることが期待できる。このようにしてIL-1αやKGFの働きを無効にする事で発育増殖を妨げる事が可能となる。この状態では核内に情報が伝達されず、細胞増殖がおこらない。したがって腫瘍の増殖能を制御出来ることにつながる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

アンチセンスを作成しているが、現在その導入率が低いため、導入効率を上げるべく、各種条件を変えながら最も良いアンチセンスの作成を行っている最中である。コンタミネーションも危惧し、部屋専用のオートクレープも購入し、対処しているところである。

今後の研究の推進方策

アンチセンスの作成がやや遅れているが、今年度末に間に合うように作成を急いでいる。また、歯原性腫瘍の病態解析も引き続き行っていく。具体的には、角化嚢胞性歯原性腫瘍の組織の一部を培養して得た培養上皮細胞および培養線維芽細胞を用いて、その他の発育増殖因子や抑制因子について調べていく。

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公開日: 2013-06-26  

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