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2010 年度 実績報告書

口腔癌治療における口腔内細菌叢の解析と周術期管理への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22592221
研究機関九州大学

研究代表者

大部 一成  九州大学, 大学病院, 講師 (80243955)

研究分担者 川野 真太郎  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (00398067)
竹下 徹  九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (50546471)
中村 誠司  九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (60189040)
キーワード口腔癌 / 唾液 / 口腔細菌叢 / T-RFLP法 / 放射線治療 / 術前放射線化学療法
研究概要

口腔癌治療において放射線療法や化学療法が口腔内の細菌叢にもたらす影響の有無を明らかにするために、加療を行った口腔癌患者において術前治療ならびに周術期に採取した唾液を材料として口腔内細菌叢の細菌構成の変化について解析を行った。口腔癌患者よりそれぞれ治療開始前(A期)、放射線化学療法治療中(B期)、手術直前(C期)、術後の経口摂取開始後(D期)の4つの時期の唾液検体を採取し、含まれる細菌構成の解析法には16S rRNA遺伝子を用いたterminal restriction fragment length polymorphism(T-RFLP)法を用いた。
比較的検体の採取条件が一定した5名の患者から得られたT-RFLPピークパターンから、口腔癌の周術期に口腔フローラの細菌構成の大きく変化する傾向が認められた。その変化の度合いはA期とB期の間で最も大きく、その後C期を経て手術後に経口で食事を開始するD期にかけてA期(治療開始前)のパターンに復元していく傾向が認められ、放射線化学療法が常在細菌叢の一時的な破綻をもたらしている可能性が示唆された。とくにNeisseria、Haemophilusに相当するピークの全体のピーク面積に対する比率は、どの被験者においてもA期からB期にかけて増加し、B期からC期にかけて減少しており、これらの菌種が放射線・化学療法ないしそれに伴う粘膜炎と関連している可能性が考えられる。
次年度以降は被験者数を増やしデータの精度を高めていくと同時に、放射線化学療法治療中の粘膜炎の重篤度と菌叢変化との関連について検討を行っていく予定である。

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公開日: 2012-07-19  

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