研究概要 |
PARP-1, PAR合成,SIRT1およびNFκBの活性化の関連性について明らかにした。 (i) 伸展ストレスにともなうPAR合成亢進機構について: 活性酸素種消去剤存在下では、伸展ストレスにともなうPAR合成の亢進が抑制されることから、DNA損傷がPARP-1の活性化の主因と考えるが、DNA損傷の証明は未実施であったため、DNA損傷の有無について、コメットアッセイ等によりDNA切断の有無を検証した。 (ii) PARP-1ノックダウンの伸展ストレス依存性NFκB活性化におよぼす効果について: ウサギ滑膜線維芽細胞に対する伸展ストレスは、NFκB依存的COX-2およびiNos発現誘導とともに、著明なPAR合成を亢進することを見いだした。PARP-1siRNAによるPARP-1消失が、NFκB活性化におよぼす効果を検討することで、NFκB活性化経路とPARP-1間のクロストークの有無を明らかにした。PARP-1消失により、伸展ストレス依存性NFκBの活性化が抑制された場合、PARP-1各ドメインを欠損させた変異PARP-1を過剰発現させ、どのドメインがNFκBの活性化に必要なのかを明らかにした。 (iii) PAR合成の阻害もしくは分解亢進の伸展ストレス依存性NFκB活性化におよぼす効果について: PARP阻害剤存在下、あるいはポリADPリボースグリコヒドロラーゼ(PARG)の過剰発現下での、伸展ストレス依存性NFκBの活性化について検討を加える。又、DNA結合ドメイン欠損PARP-1遺伝子の過剰発現が、伸展ストレス依存性NFκBの活性化を抑制するのかについて検討した。 (ii),(iii)によるPAR合成の抑制がいずれもNFB活性化およびCOX-2とiNOS発現誘導に影響しなければ、PAR合成とNFκB活性化の両経路はクロストークしないと判断する。
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