研究課題/領域番号 |
22592235
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
金山 景錫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50329380)
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研究分担者 |
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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キーワード | 顎関節 / 滑液 / 滑膜 / ビスフェノール / マウス / 下顎頭 / 環境ホルモン / エストロゲン |
研究概要 |
変形性顎関節症の発症機序を調べる目的で、基礎的研究としてエストロゲン様作用を持つビスフェノールA(BPA)を胎生期に投与し、マウス胎児下顎頭の発生に及ぼす影響を免疫組織学的手法で評価した。また臨床的基礎的研究としては顎関節症患者の関節組織のエストロゲンレセプターの発現を免疫組織学的手法で評価した【方法】ICR妊娠マウスへ12-16dpc(膣栓+:0dpc)に連日BPAを経口投与(BPA群:濃度0.2、2、20μg/kg。母獣は各3腹)した。コントロール(CO群)としてコーン油(2.5ml/kg)を同様に投与した。生後1日目の新生児マウス各10-12匹を屠殺し、パラフィン包埋後にHE染色した。下顎骨(頭)をMesenchymal zone(M)、Pre-hypertrophic zone(PH)、Hypertrophic zone(H)の3層に分け、各層の細胞数と体積を3次元的に測定した。また免疫染色でエストロゲンレセプター(ER)-αの局在を調べた。【結果・考察】BPA群で下顎頭の平均細胞数及び体積が小さく、未成熟細胞の割合(PH/H比)が増加していた。ER-αはPH・H層の軟骨細胞の核内に局在していた。以上からBPAはPH・H層においてERを介した軟骨基質形成を阻害することで下顎頭の発育低下に影響を与えることが示唆された。一方、臨床的研究としてヒト顎関節組織をパラフィン包埋後にHE染色とエストロゲンレセプターの免疫組織染色を行った結果、患者標本においてエストロゲンレセプターの発現が確認され、顎関節がエストロゲンレセプターの標的臓器であることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎実験・臨床実験において研究計画に沿った研究が施行されその成果が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究計画にのっとり、基礎実験と臨床実験を遂行し、まとめて行く予定である。
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