研究課題
口腔癌の適切な早期診断には、前癌病変あるいは早期の遺伝子異常の段階で病変をとらえる必要がある。それらをとらえるためのバイオマーカーとして唾液による口腔癌診断に関しては以前よりいくらかの試みが行われてきた。口腔癌発症時にみられると思われる特異的な変化を唾液という簡便、安全な方法で検出できるのかといった検討であった。我々は癌患者の担癌状態(治療前)と非担癌と考えられる状態(治療後)の唾液をプロテインチップによって網羅的に解析し、新たな癌関連因子候補を探索してきた。その結果、検出した口腔癌患者の唾液中に特異的に高発現を認める蛋白であるcystatin SNとsalivary acidic proline-rich phosphoprotein 3/4の生体内における発現局在および機能解析を行うことにより口腔癌における唾液新規腫瘍マーカーとなり得るかといった課題、また口腔癌病態の把握に新知見を得ることを目的としてきた。そして、非侵襲的に簡便に採取できる唾液より正確に口腔癌を診断できる新規腫瘍マーカーを開発することが、将来的に口腔癌の早期発見に重要なツールとなり、口腔癌治療を飛躍的に進歩させることが可能になると考える。口腔扁平上皮癌細胞株におけるcystatin SNとsalivary acidic proline-rich phosphoprotein 3/4の発現確認によりは唾液新規腫瘍マーカーとなり得る可能性を示した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Molecular and Clinical Oncology
巻: 1 ページ: 105-111
10.3892/mco.2012.14
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