歯髄が神経移植のドナーになり得るか否かを検討するために、異種移植系で移植実験をおこなった。歯髄は抜歯した歯から採取し、凍結融解法で抗原性を低下させ、キトサン・メッシュチューブに挿入し、Sprague-Dawley(SD)ラットの坐骨神経を切断した部分に移植した。移植後4週目、新生軸策が宿主由来のシュワン細胞を伴いながら基底膜上を中枢側から進展していることが、電子顕微鏡で確認できた。移植後12週、新生軸索が光学顕微鏡でも認められた。移植後32週、新生軸索の旺盛な増殖像が認められた。よって、歯髄も神経移植のドナーになることは示された。
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