我々は交流電流を用いたイオントフォレーシス(AC IOP)と直流電流を用いたイオントフォレーシス(DC IOP)との比較研究を行った。行動実験や免疫組織学実験の結果,DC IOPは短時間で効果が発現するが持続せず,AC IOPは効果発現まで時間がかかるが効果は長時間持続することが分かった。これらの効果は血中リドカイン濃度の測定により,リドカインが全身投与されて発現しているのではないことを確認した。また本実験の刺激強度であればエバンスブルーの血管外漏出を起こす程度の皮膚損傷は認められないことも確認した。 以上より,慢性疼痛患者には長時間効果が持続するAC IOPが有用である可能性が示唆された。
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