研究課題
高齢者歯科治療では様々な全身的偶発症が発生するが、なかでも異常高血圧の頻度は高い。異常高血圧は単なる血圧上昇だけでなく、重篤な不整脈、心筋虚血、脳卒中などに進展しうるため、その予防は重要である。この異常高血圧の予防には予測が有用であるが、現時点では困難である。循環系は多重な正・負のフィードバック機構により制御された、極めて複雑なシステムと考えることができる。この制御の目的は刻々と変化する外的環境変化による外乱から、循環系の平衡状態を守ることである。しかし、加齢とともにこの制御システムの機能は低下し、平衡状態の破綻リスクが上昇する。高齢者における高頻度の異常高血圧はそのひとつの現れである。異常高血圧を予測するためには、この循環制御系の複雑なシステムの動的な機能低下の把握が必要がある。しかし、その非線形性、複雑性などから、全貌を正確に把握するのはほとんど不可能であった。そこで、このような内部が不明なシステムを、システムへの入力と出力信号から数学モデルとして表現できるシステム同定を用いるという着想に至った本研究の目的はシステム同定を用いて、高齢者歯科治療における異常高血圧の予測方法を確立することである。本研究ではシステム同定における各要素の解析、すなわち、各要因のインパルス応答、伝達関数の算出、圧受容体感受性、ならびに基本的な患者背景との関連について、統計学的に解析し、演算速度向上を目的としてCUDA(Compute unified device architecture)によるアルゴリズムを改善する試みを行った。しかし、いまだにばらつきが大きく、一定した結果が得られていない。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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