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2011 年度 実績報告書

慢性口腔顔面痛モデルを用いた、片頭痛発症の誘発因子としての三叉神経系感作の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22592257
研究機関大阪大学

研究代表者

森本 佳成  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00264870)

研究分担者 丹羽 均  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30218250)
工藤 千穂  大阪大学, 歯学部附属病院, 助教 (20533110)
キーワード片頭痛 / Cortical Spreading Depression / 三叉神経系 / 慢性痛 / 脳・神経
研究概要

片頭痛は人口の10%近くが罹患する疾患であり、発作の際には激烈な拍動性頭痛、悪心・嘔吐などが起こり、患者のQOLは著しく損なわれる。また、発作中には歯痛や顔面痛を伴うことがあるため、患者が歯科を受診する場合も多い。片頭痛の発生機序にはCortical Spreading Depression (CSD、大脳皮質拡延性抑制)が大きく関わっているといわれており、このCSDが三叉神経脊髄路核を活性化することで痛みを引き起こしているのではないかと考えられている。これらのことより、慢性口腔顔面痛の痛みの一次中継核でもある三叉神経脊髄路核の感作が、片頭痛の発生に深く関与している可能性が推測される。そこで、本研究の目的は、CSD動物モデルを用いて、慢性痛によって三叉神経系を感作した場合のCSD発生の変化やCSDによる三叉神経系活性化の変化等を検討することで、片頭痛発症機序および増悪因子としての三叉神経系感作の影響を明らかにすることである。
今年度は、ラットの眼窩下神経結紮(IoN-CCI)を行い、その後、神経障害性疼痛が発症するかをvon Freyfilamentによる機械的侵害刺激を与えて経時的に評価した。その結果、今までの報告と同様に、約2週間で疹痛閾値が低下し、アロディニアが発症していた。発症率は約63%であった。この後、アロディニアが発症しているラットの大脳皮質表面に1M KC1による化学的刺激を与えてCSDを誘発し、CSD発生頻度(発生閾値)を電気生理学的に測定した。今のところ、sham ope群とIoN-CCI群でCSD発生閾値に違いはないと思われる。現在は、IoN-CCIによって三叉神経系が感作されているかを確認するために、三叉神経節におけるアストログリアの発現を免疫組織化学的に評価しているところである。また、IoN-CCIによって感作された三叉神経系がCSDによってどの程度活性化されるのかを検討するために、三叉神経脊髄路核尾側亜核におけるc-fos発現を免疫組織化学的に確認している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究を進める上で、所属教室の研究環境が十分に整っていないところがあり、まずそのセットアップから行わなければならなかったため、データを集め始めるのが遅れてしまった。また、予想と少し違う結果が出たため、実験計画を少し修正しなければならず、進捗状況がやや遅くなってしまった。

今後の研究の推進方策

現在は、計画通りに実験が進み始めており、順調にデータが集まると思われる。ただ、来年度は最終年度であること、予算に限りがあることから、ある程度のデータが出た時点で、本研究をまとめる方向へ進む予定である。

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公開日: 2013-06-26  

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