研究課題/領域番号 |
22592260
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
藤澤 健司 徳島大学, 病院, 講師 (40228979)
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研究分担者 |
宮本 洋二 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20200214)
湯浅 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70332822)
石川 邦夫 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (90202952)
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キーワード | 炭酸アパタイト / サイナスリフト / 顆料径 |
研究概要 |
上顎臼歯部は骨量が少ないため、インプラント治療に際してサイナスリフト(上顎洞底挙上術)による骨造成が行われることが多い。従来のサイナスリフトは移植骨や骨補填材を用いていたが、骨移植には骨採取部の侵襲や合併症などが生じ、使用できる骨量に限界があるなどの問題があり、人工の骨補填材は吸収することなく異物として残存するなどの問題があった。われわれは水酸化カルシウムを出発物質として骨置換性の炭酸アパタイトを開発することに成功している。今回、顆粒状の炭酸アパタイトの粒径の違いが、炭酸アパタイトの吸収や骨形成に及ぼす影響を組織学的に検討した。 試料は、粒径300-600μm、600-1000μm、1000-1400μmの3種類の顆粒状の炭酸アパタイトを用いた。実験動物には15週齢の雄性日本白色ウサギを用いて、大腿骨遠位端に径5mml、深さ8mmの埋入窩を形成し、各試料を充填した。埋入、2、4、12週後に摘出し組織学的検討を行った。 いずれの炭酸アパタイト顆粒においても、埋入後から経時的に顆粒径が小さくなり、顆粒の吸収が観察された。顆粒径の減少は、300-600μmの顆粒が最も小さく、1000-1400μmが最も大きかった。すなわち、顆粒径が小さいほど、顆粒の吸収が大きくなる傾向がみられた。骨形成については、埋入初期では既存骨辺縁から顆粒に向かって少量の骨形成がみられたが、埋入12週後では、埋入窩中心部にまで新生骨が認められた。また、顆粒を含む周囲の骨組織には骨髄の形成もみられた。 以上のことから、炭酸アパタイトの粒径は、その吸収性と骨形成に影響することが明らかとなった。
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