研究課題/領域番号 |
22592265
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
岡田 明子 日本大学, 歯学部, 准教授 (10434078)
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研究分担者 |
今村 佳樹 日本大学, 歯学部, 教授 (90176503)
鈴木 郁子 日本大学, 歯学部, 助手 (60459906)
本田 訓也 日本大学, 歯学部, ポスト・ドクトラル・フェロー (20548945)
人見 涼露 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70548924)
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キーワード | 神経科学 / 生理学 / 脳・神経 / 細胞・組織 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
10%マスタードオイルをSD系雄性ラットの頭部硬膜に注入した片頭痛モデルラット(片頭痛モデル群)と流動パラフィン注入ラット(コントロール群)を作製した。片頭痛モデル群の光過敏発症を確認するために、両群をそれぞれ明暗箱に一定時間置き、明部屋と暗部屋のどちらに長く留まるかを調べた。その結果、片頭痛モデル群の方が有意に長く暗部屋に留まり、光過敏が生じている可能性が示唆された。次に、片頭痛モデル群の網膜に光刺激を与え2分後に潅流固定した凍結切片を用いて、片頭痛刺激を抗c-Fos抗体で、光刺激を抗pERK抗体にて二重免疫染色を施した。その結果、延髄尾側から第2頚髄の表層において、c-FosとpERKの陽性発現の多くの重なりが認められた。また、未処理ラットにおいて、上丘に2%フルオロゴールド(FG)を注入し3日後に潅流固定して組織切片を詳細に調べたところ、同じように延髄尾側から第2頚髄の表層においてFG陽性発現が認められた。従来、光刺激の投射経路として網膜から外側膝状体や上丘への投射が知られているが、延髄や頚髄レベルにも投射している可能性が示唆され、昨年度までの我々の実験結果を強く支持した。さらに、この神経投射」を電気生理学的に証明するために、未処理ラットの上丘に双極電極を用いて電気刺激を与え、逆行性興奮を第一頚髄背側表層より記録することができた。本研究の結果は、片頭痛に随伴する光過敏の新たな治療法の開発につながる重要な手掛かりになると期待される。 以上の結果を国際学会で1回、国内学会で4回の学会発表を行った。また、本研究内容を論文にまとめPain Researchに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上丘と延髄や頚髄との神経投射を証明するために、交付申請時には計画をしていなかった新たな実験を付け加えたため。
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今後の研究の推進方策 |
追加実験もほぼ終了ており、現在英語論文にまとめているところである。今年度中にJournal of Nemosdenceに投稿する予定である。
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