低酸素環境である富士山山頂における睡眠時の低酸素症に対する口腔内装置(スリープスプリント)の効果について、動脈血酸素飽和度(SpO2)、脈拍数、呼吸パターンから検討した。動脈血酸素飽和度(SpO2)は口腔内無装着時には平均68%で、装着によって3~4%上昇させ、脈拍数は5回/分前後減少させた。口腔内装置は睡眠時の低酸素症をある程度予防すると考えられる。降下指数(ODI)と無呼吸低呼吸指数(AHI)および無呼吸のパターン分類は口腔内装置によって低下傾向が見られたが差は有意ではなかった。高所では睡眠時に中枢性無呼吸が生じ、結果を修飾するためと考えられる。
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