研究概要 |
骨格性下顎前突症の感受性遺伝子領域のゲノムワイド関連解析を進めるに際して、平成23年度に終了した二次スクリーニングまで行っても、有意な相関を示すマイクロサテライトマーカーはまだ十数個残っていた。すなわち、疑陽性を示すマーカーがまだいくつか残っている可能性があった。そこで、二次スクリーニングでも一次スクリーニングと同様に相関を示した十数個のマーカーに関して、一次 、二次で行ったようなpooled DNAを鋳型にしたタイピングを行うのではなく、個々の患者サンプルを用いたindividualタイピングを行った(三次スクリーニング)。 この三次スクリーニングの施行により相関を追試したところ、骨格性下顎前突症の感受性遺伝子領域は1p22.3と1q32.2、さらに は15q22.2である可能性が示唆された。1p22.3上にはSynovial Sarcoma, X breakpoint 2 Interaction Proteinをコードする遺伝子(SSX2IP)が存在し、1q32.2上には神経軸索や骨形成を促進するセマフォリンの受容体である Plexin A2をコードする遺伝子(PLXNA2)が、15q22.2上にはRAR-related orphan receptor Aをコードする遺伝子(RORA)がそれぞれ存在する。
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