研究課題/領域番号 |
22592273
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加我 正行 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (70125300)
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研究分担者 |
橋本 正則 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00337164)
赤坂 司 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00360917)
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キーワード | 機能性微粒子 / S-PRG / グラスアイオノマーセメント / フッ素徐法 / アルカリ性イオン溶出 / pH変動 |
研究概要 |
機能性ガラスのS-PRG微粒子を配合した小窩裂溝填塞材(シーラント)の機能について検索した。円盤状試料(直径6mm×3mm)を作製して3mlの蒸留水に浸漬し、一週間毎に溶液を交換して、3ヶ月間にわたり諸性質と機能を調べた。機械的性質は24時間後が最も強度が強く、その後経時的に低下し6か月後には初期の約60%に低下した。これは硬化体から未重合レジンモノマーが溶出すると共に加水分解が硬化体内部を劣化させたと考えられる。しかし、Fuji IIILC(グラスアイオノマー系)は、24時間後でレジン系の約1/2の強度であったが、経時的に低下することはなく、硬化体が水と平衡関係を維持して経時的に強度が保持されていた。 フッ素の徐放量は、Fuji IIILCが最も多く、その溶出量はレジン系シーラントの3倍から4倍であった。長期的には減少する傾向にあったが、3ヶ月後でもFuji IIILCのフッ素量はレジン系シーラントよりも多く測定された。 試料作製24時間後のアルカリ性イオンの溶出量を測定した結果、S-PRG微粒子配合シーラントはストロンチウムとボロンイオンの溶出が多かった。これらのイオンはフッ素と拮抗してエナメル質の脱灰抑制と歯質強化を行い、う蝕予防効果を行うことが既に明らかになっている。試料を乳酸溶液(pH=4)に浸漬してpHの変化を測定した。その結果、測定2時間後にS-PRG微粒子配合シーラントではpHが6.2に上昇した。一方、GIC系では5.5であった。エナメル質表面のpHが低下するとハイドロキシアパタイトが分解して、歯質の脱灰、欠損によりう蝕が生じる。今回得られた結果は、機能性微粒子であるS-PRG微粒子配合した材料をシーラントに応用すると、イオン溶出によるpHの緩衝作用およびフッ素徐放作用の機能を持たせることにより、う蝕予防に効果的であることが示唆された。
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